海外モータースポーツニュース
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1998年1月
- マンセル、困難な復帰戦(1998.1.31)
元F1世界チャンピオンのナイジェル・マンセルは、この週末シャモニー
で行なわれる24時間氷上レースに出場しているが、そのプラクティスで
他車と接触し、思うような練習ができずにいる。1.3kmのこのコース
でトップから3秒遅れのタイムをマークするに留まっている。
マンセルはフォードエスコートで出場しているが、ニッサン車を追い越し
た際にこれと接触し、マシンを破損してしまったようだ。
- 中野信治、ミナルディと契約(1998.1.30)
ミナルディは30日、中野信治と1998年のドライバー契約を結んだこ
とを発表した。これにより、同チームはエスティバン・トゥエロと中野信
治というコンビで98年シーズンを戦うことが正式に決定した。
- ウィリアムズ、98年用新車FW20を発表(1998.1.29)
ウィリアムズでは28日(水)、シルバーストーンサーキットにおいて98
年用の新車FW20を発表した。これに搭載されるパワーユニットは基本
的に昨年と同じくルノーV10だが、今年からはメカクロームの名称とな
る。
また、注目されていたカラーリングは、メインスポンサーの意向により、
長年親しんだロスマンズのブルー基調のものから、いよいよウィンフィー
ルドの赤いウィリアムズへと変更された。
- マルケス、ミナルディとの契約解消(1998.1.22)
ブラジルの若手ドライバー、タルソ・マルケスが今週の初めにミナル
ディ・フォーミュラ・ワン・チームとの契約を解消し、晴れて他のオプ
ションを検討できる自由の身となった。
昨年6月のフランスGPの直前、マルケスはチームと3年半の契約を結
んだ。F1での若手ドライバーとしては珍しく、パーソナル・スポンサー
を要求されることもなかった。
ミナルディのジャン・カルロ・ミナルディは、マルケスの才能と将来性
を強く信じ、当初からマルケスをチームにつなぎ止めるためにありとあ
らゆる手を尽くしたが、チーム側の事情で98年は多額の資金を2人の
ドライバーに頼らなければならず、マルケスのチーム残留が不可能と
なった。
2日前に22歳になったばかりのマルケスは次のようにコメントしてい
る。「協力と助力を惜しみなく与えてくれたジャン・カルロ・ミナルディ
に感謝したい。僕の能力を常に信じてくれたこともありがたかった。こ
れまで、僕のために大いに手を尽くしてくれたが、F1が生き馬の目を
抜く世界であることは良く分かっている。チームの98年の幸運を祈っ
ている。すでに開幕戦まで6週間しかないが、スターティング・グリッ
ドにはちゃんと並ぶよ。これは確かな話しだ。」
- ザウバー、98年用新車「C17」を発表(1998.1.22)
ザウバーでも同じく21日(水)、1998年用の新車C17を発表した。
パワーユニットは昨年と同じくフェラーリベースのペトロナスV10と
なっているが、エンジンチューナーの後藤治氏によれば、さらに信頼性
の向上と熟成が図られた強力なものになっているという。
今シーズンは、ジョニー・ハーバートとジャン・アレジの強力コンビを
擁して戦うことになる。
チーム代表のペーター・ザウバー氏は、『これまでの5年は知識と経験
を積む5年間、そしてこれからの5年間はモータースポーツの最高峰に
輝く5年間にするのだ』と意気込んでいる。
- ティレル、98年用新車「026」を発表(1998.1.22)
ティレルは21日(水)、ロンドン市内のレストランにおいて1998年
用の新車026を発表した。これに搭載されるのは昨年と同じフォード
だが、これまでのED−V8からゼテック−RのV10エンジンに強化
される。
デザインを担当したハーベイ・ポスレスウェイト博士によれば、エンジ
ンが変わったことと、98年レギュレーションにより、マシンはこれま
でと全く異なったものになったと説明している。
ドライバーには高木虎之介がすでに決定しているが、もう一人について
はこの段階においてもなお明らかにされなかった。
- サインツ、モンテを制す(1998.1.21)
1月19日から21日までの3日間、モナコ公国を基点にフレンチアル
プスを縫って展開されたWRC第1戦、第66回モンテカルロラリーは、
カルロス・サインツが優勝、トヨタのカローラWRカーのデビュー・ウィン
を飾った。2位には、かつてのチームメイト、ユハ・カンクネンが入り、
3位にはコリン・マクレーとなった。ラリーの詳細な結果は
こちらへどうぞ。
- プロスト、98年用新車「AP01」を発表(1998.1.21)
プロストでは、19日(月)、1998年シーズンを戦う新型車「AP01」
を発表した。今季、プジョーからエンジン供給を受けることになってい
るが、同社の最新鋭エンジン「A16」が搭載されることになっている。
なお、昨年まではリジェ時代のシャシー名称「JS**」(ギ・リジェ氏
の盟友ジョー・シュレッサーの頭文字)を踏襲していたが、今年から
アラン・プロストの頭文字「AP」となり、名実ともにプロストGPの
新車となった。
- ジョーダン、新車を披露(1998.1.20)
ジョーダンは19日、ロンドン市内で無限ホンダエンジンを搭載した
1998年用のニューマシン、ジョーダン198を発表した。
昨年物議をかもしたスネーク・ペイントだが、今年はデザインが改めら
れてはいるものの、フロントノーズとフロントアームの中間点位の左右
面に、赤い大きな目玉がペイントされるなど、今年も話題を振りまきそ
うである。また、エアインダクションポッドの部分には、スポンサーの
マスター・カードのロゴと共に青いペイントが施されている。
- モンテカルロラリースタート(1998.01.19)
1998年のWRC第1戦となる、モンテカルロラリーが19日からス
タートとなる。昨シーズンの最終戦からわずか8週間のインターバルを
おいただけで早くもシーズンの開幕となった。
今年はTTEが復帰し、4大ワークスがその名誉をかけて今シーズンを
戦うことになる。また、スペインのセアトも8月のフィンランドまでに
は新たなWRカーを発表することが予想されており、昨年以上に苛酷な
シーズンとなるはずである。
なお、今季から計時システムが改良され、1/10秒単位まで計測可能
となった。これにより、より激しい戦いが繰り広げられることになるで
あろう。
スバルは、そのメイクスタイトルを保持すべく、大きなプレッシャーが
かかることになる。また三菱は、UKラリーアートから大きな改良を加
えられてから初めてのイベントとなる。Mスポーツが走らせるフォード
においては、97年シーズンに見せた力量をさらに進化させるだろうし、
コローニャにベースを置くトヨタはいよいよ正式参戦ということで、表
彰台を狙ってくるだろう。
- ベネトン、1998年用新型車B198を発表(1998.1.16)
ベネトンでは15日(木)、今シーズンの新型車B198を発表した。こ
れは同チームの新しいデザイナー、パット・シモンズとニック・ワース
の処女作ということになる。
これに搭載されるパワーユニットは噂通りメカクロームV10で、タイ
ヤはBS。早速シェイクダウンテストがシルバーストーンで行なわれる
予定となっている。
チームマネージャーのデビッド・リチャーズは「ブリジストン初のF1
勝利を是非ともベネトンの手で成し遂げたい」とその意欲を語った。
- ベネトンもブリジストンにスイッチ(1998.1.16)
ベネトンでは15日(木)、今季から使用タイヤをこれまでのグッドイヤー
からブリジストンに変更することを明らかにした。
- ポルトガルGP中止をFIAが確認(1998.1.15)
13日(火)に行なわれたポルトガル政府の発表を受けて、FIAでは今
季のポルトガルGP開催中止を正式に確認した。
エストリル・サーキットでは2輪のレースを統括しているFIM(世界
モーターサイクル連盟)からも6月に予定されていたGPの中止決定を
受けており、大きなダメージを負うのは必至となった。
なお、代替開催の国(中国、もしくは、南アフリカ)についてはまだ未
発表である。
- ジョーダン、新スポンサー獲得(1998.1.15)
14日(水)、ジョーダン・無限ホンダが新スポンサーを獲得したことが
明らかとなった。
今回新たにスポンサー契約を結んだのはイギリスの保険会社で「パール」。
契約期間や内容は不明だが、19日(月)に予定されている同チームの98
年マシン発表の際には、その新ロゴがお目見えすることとなるだろう。
- ポルトガルGP、今季の開催が困難に(1998.1.14)
ポルトガルのヨアキム・ピナ・ムーラ経済大臣は13日(火)、FIAか
ら迫られていたコース改修などの条件が期間内にクリアできる見通しが
立たないことを明らかにした。
今年10月に予定されていたポルトガルGPは、FIAから条件付きで
カレンダーに掲載されていたもので、場合によってはリザーブの中国(珠海)、
または、南アフリカ(キャラミ)に代わる可能性が出てきた。
- スチュワート、1998年用ニューマシンを発表(1998.1.14)
スチュワートは13日(火)、イギリスのエセックスにおいて1998年
用の新型マシンを発表した。
最新仕様のフォードゼテック−Rエンジンを搭載するこのマシンは、ダ
ントンにあるフォードの開発センターで製作されたと伝えられている。
チームの代表者ジャッキー・スチュワート氏は、「多くの場合、2年目
のシーズンは最初の年よりも困難であることが多いが、我々はさらにマ
シンの信頼性を上げ、よりコンペティティブになってこのシーズンを乗
り切るつもりだ」とその意欲を見せた。
- ハンガリー政府、同国グランプリに強力支援を打ち出す(1998.1.10)
ハンガリー政府のエルマー・キス報道官は、8日(木)、8月16日に開
催が予定されているハンガリーGPに対し、250万ポンド(約5億5千
万円)もの経済支援を行なうことを発表した。
同報道官によれば、「これらの資金はピット設備の拡充や通信システム
の改善に使われる予定だ。レースというものは通常お金を費やすだけの
ものだが、このグランプリはわが国の観光収入に大きく貢献するからね」
と語っている。
- マックス・ウェルチ、ザウバーを離れる(1998.1.9)
ザウバーのエンジニアリング・ディレクターであるマックス・ウェルチ
は、このほどチームを離れた模様。後任人事については不明である。
- ウィリアムズ、J−P.モントーヤをテストドライバーに(1998.1.9)
ウィリアムズでは、1998年のテストドライバーにホァン・パブロ・
モントーヤを起用することを決めた。
モントーヤは1997年の国際F3000選手権でシリーズ2位と活躍
し、先にバルセロナで行なわれたウィンターテストではニコラス・ミナ
シアン、ソエイル・アヤリ、マックス・ウィルソンらとそのシートを掛
けて争っていたが、常に好タイムをマークしてその存在をアピールして
いた。
- ミナルディ、今季エスティバン・トゥエロを起用(1998.1.9)
ミナルディは1998年シーズンのレギュラー・ドライバーとしてアル
ゼンチンのエスティバン・トゥエロを起用することに決めた模様。
トゥエロはフォーミュラ・ニッポンに参戦したことで日本でも馴染みが
深いが、まだ弱冠19歳。実現すればF1史上最年少ドライバーが実現
することになりそうだ。
- ウィリアムズ、豪政府から非難を受ける(1998.1.9)
7日、98年用の新車を発表したウィリアムズは、オーストラリア政府
からそのカラーリングについて非難を受けた。
これは、同車のマシンカラーとそこに描かれたカンガルーの絵が、「オー
ストラリアの観光地としての魅力をたばこの広告と関連づけることにな
る」と同政府のワールドリッジ保険相が指摘したもの。また、同国の反
たばこ団体からも同様の非難を受けている。
これに対し、ウィリアムズのメインスポンサーであるロスマンズ社の現
地法人は「これはオーストラリアの魅力を世界にアピールするものだ」
として反論している。
- ウィリアムズも98年用マシンを発表(1998.1.8)
7日(水)、ウィリアムズもロンドンのパインウッド・フィルムスタジオ
において1998年用の新型車を発表した。
かねてからの噂通り、これまでの青を基調としたロスマンズ・カラーか
ら、ウィンフィールドの赤へとそのイメージを一新した。
新車発表会に立ち会った世界チャンピオン、ジャック・ビルニューブは、
「前から発言しているように、98年のレギュレーションには未だに納
得できていないけれど、でも第一印象としては十分にタイトルを防衛で
きるポテンシャルを持ったマシンだと感じたね。もっとも、実際に走ら
せてみないことには何とも言えないけれど」と、その印象を述べた。
しかし、チーム関係者は「このイベントはあくまでもスポンサーのため
のもので、本質的な新車発表は今月末になるだろう」と語っている。
- ケルン検察当局、シューマッハへの殺人未遂容疑調査を打ち切る(1998.1.8)
ケルン検察当局は、第3者からの告発を受けてミハエル・シューマッハ
に対して行なっていた殺人未遂容疑の調査を打ち切ったと発表した。
当局によれば、このアクシデントではジャック・ビルニューブと同様に
シューマッハ自身も危険にさらされていたのであり、告発は不合理とし
た。
- フェラーリ、本日インターネットライブで新車発表を行なう(1998.1.7)
スクーデリア・フェラーリでは、本日(7日)、昨年に続いてインターネッ
トを使用したライブ中継で1998年用の新車発表を行なう。
中継時間は日本時間の7日(水)午後6時45分から、フェラーリの公式
ウェブサイト(http://www.ferrari.it/)で行なわれる予定になっている。
これまでのテストではカーボンファイバー地の黒いままだったが、再び
深紅の跳ね馬を見ることができるであろう。
- ミュラー、ザウバーのテストドライバーに(1998.1.7)
ザウバーでは6日、1998年シーズン、これまでのノルベルト・フォン
タナに代えてヨルグ・ミュラーをテストドライバーに起用することを発表
した。
ミュラーは今年28歳となるドイツ人で、1996年の国際F3000選
手権チャンピオンである。昨年はアロウズのテストドライバーを務めてい
た。
- ケルン検察当局、シューマッハを殺人未遂容疑で捜査(1998.1.7)
ドイツ国内のビルト紙が6日(火)に報じたところによれば、昨年のF1最
終戦で発生したミハエル・シューマッハと、ジャック・ビルニューブの接
触事故について、ケルンの検察当局が殺人未遂容疑で捜査を開始したとの
ことである。
これについて、同当局は「レース中、シューマッハの取った行為が刑法上
問題がなかったかどうかを調査中である」とこれを認める発言をしている。
- ティレルの新車発表(1998.1.7)
ティレルでは6日、ティレルとしては最後となる今シーズン用の新車026
の発表会を来る21日(水)にロンドン市内のブルーバード・レストランで
行なうことを明らかにした。
その後、マシンは23日にシルバーストーン・サーキットにおいてシェイ
クダウンテストを行なう予定になっている。なお、高木虎之介のチームメ
イトとなるもう一人のドライバーについては、いまだ未発表である。
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