海外モータースポーツニュース
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1998年2月
- プロスト、新スポンサーを獲得(1998.2.27)
プロストグランプリの新スポンサーとして食料品と経営サービスの最大手、
ソデクホーの獲得が発表された。契約年数などは明らかになっていない。
- ウォルター・ウルフ、F1復帰を狙う?(1998.2.27)
オールドF1ファンにはお馴染みの名前、ウォルター・ウルフ氏が再びF1
への参入を狙っていると伝えられている。
ウルフ氏はカナダの大富豪で、1973年にジョディ・シェクターを擁し自
らマシンを開発してF1に参戦。いきなりその第1戦で優勝を飾るなど、衝
撃的なデビューを飾ったことで名高い。
そのウルフ氏が、今度は現在GTレースで活躍しているパノス・レーシング
のドン・パノス氏と手を組んで再びF1への参戦を窺っているとされる。財
政的には不安がないだけに、実現すれば再び注目の存在となりそうだ。
- エスティバン・トゥエロ、スーパーライセンス獲得(1998.2.26)
ミナルディでは24日(火)、同チームのドライバーエスティバン・トゥエロ
がF1参戦に必要なスーパーライセンスを獲得できることとなったと発表し
た。
トゥエロは24日、イタリアのモンツァでのテストで47ラップを周回。こ
れによりFIAから課せられていたトータル2000キロの距離を走破し、
スーパーライセンス発給既定をクリアしたもの。
しかし、このために同チームの事前テストでは経験のある中野信治をほとん
ど走らせることができず、マシンの熟成が滞ることとなった。来週末に迫っ
たオーストラリアでの開幕戦は不安を抱えたまま臨むこととなってしまった。
- ミナルディ、ボローニャで新車発表(1998.2.23)
ミナルディは、23日(月)、ボローニャの産業遺産博物館において98年用
の新車M198フォードを発表した。
ガブリエル・ルミとジャンカルロ・ミナルディは、関係者、各国マスコミ、
ミナルディのスポンサー代表が出席したイベント開幕時の会見でも新車のデ
ザインを紹介した。
この発表会には中野信治とエスティバン・トゥエロの2人のドライバーとテ
ストドライバーのローレン・レドンも出席した。
また、このイベントで、ミナルディがボローニャ大学と共同で行なっている
プロジェクトも発表された。同チームはこのプロジェクトで、工学部と経済
学部の2人の若い大学院生に、ファエンツァの本拠で6ヶ月の高度な研修に
参加する機会を与えることになっている。同大学の各関係者もこのプロジェ
クトの正式発足の場に出席していた。
24日(火)にモンツァで予定されているテストは、技術面その他の理由から
非公開で行なわれる。しかし、テスト終了後には情報またはインタビューが
公開される予定である。
- ケン&ボブ・ティレル、チーム運営から撤退へ(1998.2.21)
20日(金)、ティレルのオーナーであるケン・ティレルは、1960年以来
続けてきた同チームの運営から手を引くことを明らかにした。子息である
ボブ氏も同様に引退する。
3月に開幕を迎える今季のチーム運営は、これまでテクニカル・ディレクター
を務めてきたハーベイ・ポスレスウェイト氏が全面的に行なうことになる予
定。
ティレルは1970年のF1初参加以来27年に渡ってF1に参戦、通算23
勝を挙げている。1971年にはフォード・エンジンを搭載してコンストラ
クターズ・チャンピオンにも輝いている。
なお周知の通り、1999年シーズンからは同チームはBAT(ブリティッ
シュ・アメリカン・タバコ)傘下のBAR(ブリティッシュ・アメリカン・
レーシング)となることが決まっている。
- アロウズ、98年用新車A19を発表(1998.2.19)
アロウズでは、18日(水)、1998年シーズンを戦う新車A19を発表し
た。
シャシーを含めたトータルデザインは先にフェラーリから移籍したジョン・
バーナードが行ない、搭載されるエンジンは自社開発ということになってい
る。なお、注目のカラーリングは黒となっていた。
- 98年ベルギーグランプリ開催へ(1998.2.19)
ベルギーGPの主催者は、18日(水)、今年8月30日に開催が予定されて
いるスパフランコルシャンでのF1ベルギーGPの開催に支障がなくなった
ことを表明。FIAから開催の確認を得たことを発表した。
今年のベルギーGPは、ベルギー政府が先に明らかにしたタバコ広告の全面
禁止法案によりその開催が危ぶまれていた。しかし、このほど同政府は法案
の実施を1999年1月からとしたため、とりあえず今年のベルギーGPは
開催が可能となった。
ただし、法案自体は残っているため、1999年のベルギーGP開催は困難
になると思われる。
スパフランコルシャンで開催されるベルギーGPは、その美しい環境やチャ
レンジングなコース等からF1の象徴のひとつともされ、FIA側も強く開
催を望んでいた。
- アロウズ、エンジンも自社開発(1998.2.18)
アロウズが発表したリリースによれば、今季から使用するエンジンは自社開
発する方針となった。エンジンの設計は元コスワースのジェフ・ゴタールに
より行なわれ、レイアウトはV10になる予定。しかし、すでにハートV10
が搭載されてテストされており、これがベースとなるものと思われる。
また、同チームのテストドライバーとして、エマニュエル・コラールと
ステファン・ワトソンが起用されることも併せて発表された。
なお、これまでエンジン供給を行なってきたヤマハの今後の動向は不明であ
る。
- マクラーレン、MP4/13の正式カラーリングを発表(1998.2.17)
マクラーレンでは16日(月)、先に暫定発表された今季用の新車MP4/13
の正式カラーリングを発表した。
ほぼ昨年と同じでシルバーと黒を基調としているものの、細部は微妙に異なっ
ている。また、ノーズ部分にはブリヂストンのマークが輝いている。
- BMW、ネルソン・ピケをアドバイザーに迎える(1998.2.12)
2000年シーズンからエンジンサプライヤーとして再びF1復帰を狙うと
みられるBMWが、その開発アドバイザーとして元F1世界チャンピオンの
ネルソン・ピケを迎えたことが明らかになった。
ピケは1983年にブラバム・BMWターボで世界チャンピオンを獲得して
いる。
- ティレル、リカルド・ロセットと契約(1998.2.11)
2月10日(火)、ティレルは高木虎之介のチームメイトとなる2人目のドラ
イバーとしてリカルド・ロセット(29歳、ブラジル)と契約を結んだことを
発表した。これにより、去年までティレルをドライブしていたフェルスタッ
ペンはシートを失うことが確定した。
ロセットの新型ティレルでの走行は、今週末のバルセロナテストとなる。ロ
セットは、「これは、ぼくにとって絶好の機会だ。F1で最後に何ができる
かをみせつけるチャンスになるはずだ。ティレルで走れることになって本当
に嬉しい。彼らは多くの経験を持っているし、これは素晴らしいことだ。ぼ
くはただ、じっと聞いて学んで、そしてできる限りのベストを尽くすだけさ。」
とコメントしている。
- ヒロ松下、引退説を否定(1998.2.9)
先日、ヒロ松下が今季第3戦限りで現役を引退し、以後はテストドライバー
としてアルシエロ・ウエルズと契約したロビー・ゴードンがレースに出場す
るという情報があったが、これは誤りであった。
ヒロ松下は最終戦まで走る予定となっており、ヒロ松下本人は、「今シーズ
ンの後もレースを続けるかどうか決めていない。アルシエロ・ウエルズとト
ヨタともう1年組めればと思っている。」と語っている。
- マクラーレン、新車を発表(1998.2.6)
マクラーレンは5日(木)、サリー州ウォーキングのチーム本拠地で98年
用の新型車MP4/13を発表した。
この新車はテクニカル・ディレクターエイドリアン・ニューウィー率いる
設計チームが初めて手掛けたマクラーレンとなる。MP4/13のパッケー
ジングには、前年度の車から多くの特徴が組み込まれている一方で、ニュー
ウィーにより新しい技術も投入されている。
MP4/13はエンジンはメルセデス・ベンツのF011G V10エン
ジンで、その土台となったのは昨シーズンのFスペックとなっているが、
設計は一新されている。特に、コンパクト化、軽量化に重点を置き、最終
的には、昨シーズンの最終モデルより5%ほど軽量化されている。
MP4/13のテストは11日(水)からバルセロナで開始される。
- マクラーレン、新スポンサー「ワルステイネル」獲得(1998.2.3)
マクラーレンは、新しいスポンサーとしてドイツ最大のビール会社である
「ワルステイネル」を獲得したことを発表した。
同社のロゴはハッキネンとクルサードのレーシングスーツの胸の部分に付
けられると共に、ニューマシンMP4/13にも描かれる予定になっている。
また同社は、マクラーレンのF3000計画もサポートすることになって
いる。
契約期間は明らかにされていないが、長期に渡るものであると見られている。
- ヒロ松下、引退へ?(1998.2.2)
アルシエロ・ウエルズ・レーシングは、昨年NASCARに参戦していた
ロビー・ゴードンとテストドライバー契約を結んだことを発表したが、本
日発表されたマルボロのリリースでは、アルシエロ・ウエルズ・レーシング
で98年シーズンも走ると見られていたヒロ松下が、第3戦のロングビー
チを最後に引退し、第4戦のナザレス以降はゴードンがレースに参加する
ことになったと報じている。
もしこの情報が事実だとすると、第1戦のホームステッド(フロリダ)、第
2戦のもてぎ、第3戦のロングビーチを走ってCARTを引退することに
なる。
- ミナルディ、チーム体制を強化(1998.02.01)
ミナルディはチーム体制強化の一環として、モナコのミッシェル・アドレアーニ
との間で、レース現場でのスポーティング・ディレクターを務めてもらう
契約が成立した。FIAの前競技委員だった同氏は、ミナルディのドライ
バーとチームに対してモーターレースで培った30年間の経験を提供する。
特に、グランプリ期間中には、レースを監督する諸団体との渉外役を務め
ることになる。
また、今シーズンからエンジニアのグスタフ・ブルナーが復帰することに
なった。このニュースにチーム全体はにわかに活気づいている。ブルナー
の実際の役目や契約条件はまだ未定である。
チームマネージャーのガブリエル・ルミは次のように語った。「ミナルディ
の力量を押し上げる原動力は急速に高まりつつあり、現在のF1では考え
られないほどだ。さらに、有力チームはすでに構造が固まり、人材に不足
は何もないにも関わらず、着実に向上し続けることが必要不可欠な戦略で
あることを明確に示してきた。(過去2、3シーズンだけを見ても)異才の
エンジニアたちは、チームを移動しながら、チームがこの仕事において最
高のものを確保するために追求しているゆるぎない決意を表現してきた点
だけは考えに入れる必要がある。ミナルディが新しい体制において、トッ
プチームが実施してきた戦略に従う必要があるのは自明の理だ。急速に、
かつ、絶え間なく向上することは、チームの既定の目的だからだ。」
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