海外モータースポーツニュース
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1999年3月
- [F1]ルカ・バドエル、テストでクラッシュ(1999.3.30)
28日(日)、ミナルディ・チームはフィオラノでフライ・バイ・ワイヤ
・システムのテストを行なったが、その際ルカ・バドエルがクラッシュ
し、腕を骨折する重傷を負った。
バドエルは直ちにモデナ市内の病院に運ばれ、回復を早めるために簡単
な手術を受けたが、担当したクラウディオ・カスタマッティ博士によれ
ば、2週間後に迫っているブラジルGPへの出場は微妙だという。
このアクシデントのためチームは29日のムジェロでのテストを中断し
たが、30日にはマルク・ヘネによって再開される予定になっている。
- [F1]3人のワールドチャンピオンがサッカーで対決(1999.3.28)
ミハエル・シューマッハ、ジャック・ビルニューブ、ミカ・ハッキネン
と言う新旧F1ワールドチャンピオンがサッカーで対決することとなっ
た。
これは、恵まれない子供たちのためのチャリティイベントで、5月のサ
ンマリノGPの翌週に行なわれることになっている。
- [FIA-GT]F50、やはり登場か(1999.3.26)
フェラーリはF50をファクトリーとしても、プライベートとしてもレー
スに出場させるつもりはないと明言したが、プライベーターの Fabien Giroix
はF50のレースマシンを作成する計画を推し進めようとしている。
計画の最終決定は間もなく行なわれる予定だが、F50がホモロゲート
された後、シーズン半ばからレースに参戦することになりそうだ。
- [CART]アル・アンサーJr、退院(1999.3.25)
24日、アル・アンサーJrは金属製のプレートを足首の骨に接合する
手術を終えて、ようやく退院した。
今後はリハビリに専念することになるが、6〜8週間後のレースに復帰
すると見られている。復帰当初はマシンのペダルをうまく踏めるように
するため、カーボンファイバー製の補強材を作成しなければならないよ
うだ。
- [F1]ミハエル・シューマッハに第二子(男児)誕生(1999.3.25)
ミハエル・シューマッハの夫人コリーナさんが、22日(月)、男児を出
産していたことが分かった。二人には、すでに2歳になる女児(ジーナ・
マリアちゃん)がおり、第二子となる。名前はミックくんと名付けられる
予定。
- [F1,WRC]コリン・マクレー、スチュワートF1をドライブ(1999.3.24)
元WRC世界チャンピオンで、現在行なわれているポルトガルラリーで
もフォード・フォーカスWRカーをドライブして首位を走るコリン・マ
クレーに、F1ドライブの話が持ち上がっている。
フォード・ヨーロッパ・モータースポーツのマーティン・ホワイティカー
氏は「今年の後半には実現させたいと思っている。なにしろ、マクレー
の速さは折り紙付きだからね。F1に転向するかって?彼が素晴らしく
速かったらね」と語るが、実際、1996年にもジョーダンF1をドラ
イブして好タイムをマークした実績を持つマクレー自身は、「コンペティ
ティブなタイムがマークできたらF1転向も真剣に考えないといけない
ね」と語った。
- [F1]フレキシブルウィング、ブラジルGPから使用禁止(1999.3.18)
FIAのチャリー・ホワイティング技術代表は、フレキシブルな材質を
使うことで、実質的な可変ウィングが使用されていることについて、次
戦ブラジルGPからこれを禁止事項にすると発表した。
このシステムは、開幕前のテストからウィング脱落事故が続いており、
オーストラリアGP前にも警告が与えられたが、明確に禁止されたのは
今回が初めてである。
実際にフレキシブルウィングの使用有無を判定することは難しいとされ
ているが、ホワイティング氏は時速100km/hでもウィングがしなる
ことがあってはならないとしている。
- [FIA-GT]フェラーリF50、FIA−GTには参戦せず(1999.3.17)
今月、FIAに対してフェラーリからF50のホモロゲーションが申請
されていたため、今年からFIA−GT選手権に参戦するのではないか
と見られていたが、フェラーリ社長のルカ・デ・モンテツェモーロ氏は
これを否定した。
これは同氏がジャーナリストに『自分が社長であるうちはF50をGT
レースに出場させることはない』と発言したため。さらに、ファクトリー
だけでなく、プライベートチームからでもF50での参戦を許可しない
としているため、F50がGTマシンと共に走ることはないようだ。
- [F3]F3ポーグランプリ開催へ(1999.3.17)
3月12日に開催されたFIAワールドモータースポーツカウンシルに
おいて、5月22日〜24日にフランスのポーでインターナショナルF3
レースを開催することが決定された。
これにより、今年のF3の国際レースはポーとマカオで開催されること
となる。
- [F1]ミナルディ、メルボルンからのフライトでマシンに損傷を受ける(1999.3.14)
ミナルディ・チームのスポークスマンは、今週参加する予定だったスペ
イン・バルセロナでの合同テストを欠席すると発表した。
声明によれば、同チームのマシンがメルボルンでのオーストラリアGP
からFOCA合同便で帰国するために積み込まれた際に、マシンの1台
が損傷を受けてしまった。その結果、修理に時間が取られ、今回の合同
テストに参加できなくなってしまったようだ。
メルボルン空港の担当官は空港側の責任を否定しており、補償について
も応じていない模様。
- [LeMans]ニッサン、ポールリカールでテスト(1999.3.12)
日産は、12日(金)、フランスのポールリカールサーキットにおいて新し
いR391のテスト走行を行なった。
新しいシャシーは前日にようやく完成したばかりのモノだったが、早くも
2週間前にBMWが記録したタイムに僅か1.47秒落ちのタイムをマー
クするなどポテンシャルの高さを見せつけた。
新しい5リッターV8エンジンは、オイル洩れが発生するトラブルがあっ
たが、さらにそれを車載のセンサーが感知できないという問題も発生した
ようだ。
- [WRC]フレディ・ロイクス、次戦ポルトガルラリーを欠場(1999.3.12)
今季三菱ラリーアート・チーム入りを果たしたフレディ・ロイクスが、
今月行なわれるWRC第4戦ポルトガルラリーを欠場する見込みとなっ
た。
これは、前戦サファリラリーでのアクシデントの後、精密検査を行ない、
肋骨にひびが入っていることが判明したため。地元ベルギーの医師はロ
イクスに最低4週間の安静を言い渡した。このため、ロイクスはポルト
ガルラリーへの出場ができなくなってしまった。
三菱チームのドクター、C.メヒガン博士も「フレディは大変失望して
いるが、いま無理をするよりも完全に治癒し、カタロニアラリーに万全
を期した方が良い」とコメントしている。
ロイクスの代わりのドライバーは、チーム監督のアンドリュー・コーワン
から間もなく発表されるとのことだ。
- [UKF3000]イギリスF3000シリーズが全戦キャンセルに(1999.3.13)
3月24日に開幕戦が行なわれる予定だったイギリスF3000シリーズ
が、突然全戦キャンセルされることが3月8日発表された。
このシリーズには当初数多くのチームが参戦を公表していたが、国際F3000
選手権が今年は参加台数制限を行なわないとしたため、多くのチームが国
際F3000へと流れていってしまった。このため、最終的には6台しか
レースにエントリされないことになってしまい、シリーズ自体が維持でき
ない状況となってしまった。
イギリスF3000シリーズに参戦予定だったチームは、イタリアで
F3000選手権を開催し、これに参戦することを検討しているという。
現在カレンダーは暫定版になっているが、イギリスや南アフリカのキャラ
ミでのレースも追加される可能性があるという。
- [F1]インディアナポリス、サーキットコースの拡大を計画(1999.3.13)
2000年シーズンからのF1開催を目指しているインディアナポリス・
モーター・スピードウェイでは、現在の2.6マイルのサーキットコース
をさらに延長し、最大3マイル近く(約4.8キロメートル)にまで拡大す
る計画を明らかにした。
コースデザインを担当するケビン・フォーブス氏によれば、工事は2000
年には間に合わないものの2001年のF1開催までに実施されるとのこ
と。コースはターン3途中から逆周りになり、ループを描いて元に戻り。
ちょうど、鈴鹿サーキットの立体交差のようになるようだ。
同氏はこれによって平均速度もより向上してレースの醍醐味が増すとして
いるが、最大の目的は観客スタンドの増設が可能になることにあると見ら
れている。
- [F1]BAR、FIAに陳謝。処罰はなし?(1999.3.13)
BARのクレイグ・ポロック代表は2カラーリング問題でヨーロッパ委員会
に提訴を行なっていたが、12日(金)、これを取り下げ、同時にそれが自分
の意志でなくチームの弁護士が独自に行なったものと陳謝した。
これを受けて世界モータースポーツ評議会は上記内容の声明を発表したが、
心配されたレース出場停止や罰金などには触れられておらず、結局処分話さ
れないものと見られている。
- [F1]FIA、本部をパリからジュネーブに移転(1999.3.12)
11日(木)、FIA(世界自動車連盟)は、本部をこれまでのフランス・パリ
からスイスのジュネーブに移転した。
多くの競技団体がジュネーブに本拠を置く中、スイスは1955年のルマン
24時間レースでの大事故から国内のモータースポーツを禁止していたこと
もあり、これまでFIAはフランスに本部を置いていた。しかし、このほど
国際オリンピック委員会(IOC)からFIAが承認されたこともあり移転が
行なわれたもの。
- [訃報]舘信吾選手、練習走行中の事故で死亡(1999.3.11)
去年の全日本GT選手権GT300クラス・チャンピオンである舘信吾選手
が、3月11日16時45分頃、岡山県のTIサーキット英田でのスポーツ
走行中に事故に遭い、死亡しました。
舘選手は、今季から乗る予定になっていたGTC仕様スープラで練習走行を
行なっており第1コーナーでコースアウト、クルマはコースの外壁に衝突し
た模様。この事故で、舘選手はハンドルに胸部を強打、内蔵を痛めて即死状
態とのこと。
舘選手は1977年9月1日生まれで東京都出身。10代の頃から渡英し、
レース活動を行なっていた。帰国後も全日本F3選手権や全日本GT選手権
に参戦。昨シーズンはGT300クラス・チャンピオンを獲得するなど活躍
していた。チーム・トムスの舘信秀代表は実父。享年21歳。
- [F1]ヨス・フェルスタッペン、スーパーライセンス失効の危機(1999.3.11)
現在ホンダF1のテストドライバーを務めているヨス・フェルスタッペン
が、交通事故のトラブルから地元オランダの法廷に訴えられてしまった。
フェルスタッペンに非はないとみられているものの、万一運転免許証が
剥奪されてしまうと、同時にF1スーパーライセンスを失効することに
なってしまう。
- [F1]新規格タイヤに不満続出(1999.3.10)
1999年のF1開幕戦が終了したが、フリー走行から決勝まで数多くの
スピン、コースアウトが見られた。これについて、ドライバーたちは異口
同音に新規格タイヤのコントロールの難しさを訴えている。
かねてよりこのようなFIAのやり方に批判的なBARのジャック・ビル
ニューブは「去年よりもさらにコントロールが難しくなった。フロントに
追加されたグルーブのせいでアンダーステアが強いし、硬くなったコンパ
ウンドのせいでマシンの挙動がナーバスになっている」と語った。
しかしながら、スチュワート・チーム代表のジャッキー・スチュワート氏
は「タイヤはたしかに神経質になっているが、これは全てのチームで同じ
条件。それをいかにコントロールするかがレーシングドライバーの資質で
あり、面白さだ」と切って捨てた。
- [F1]コニ社、BARのスポンサーに(1999.3.10)
9日(火)、BARチームは、オランダのショックアブソーバー・メーカーで
あるコニ社とスポンサー契約を結んだことを明らかにした。
コニ社はレース用のショックアブソーバーのメーカーとして長い歴史を持っ
ており、同チームのジャック・ビルニューブとはCARTレース時代にも関
係があった。
今後はテクニカル面でのサポーターとしてBARチームを支えていくことに
なる。
- [Circuit]セパン・サーキット、正式オープン(1999.3.9)
今年10月、アジアでは日本に続いて2ヶ国目のF1グランプリ開催となる
マレーシアで、9日(火)、その舞台となるセパン・サーキットがオープンし
た。オープニング・セレモニーには、同国のマハティール大統領も出席した。
マレーシアGPは10月17日、第15戦として開催される予定になってい
る。
- [F1]ブリヂストン、ラップタイムの向上を懸念(1999.3.6)
今年からフロントタイヤのグルービングを4本に増やすなどラップタイムを
落す方向でレギュレーションが変更されたにも関わらず、オーストラリアG
Pのフリー走行初日では、トップのクルサードのタイムは去年の初日のトッ
プだったミハエル・シューマッハのタイムを2秒近く短縮するものとなった。
これについてブリヂストンタイヤの安川ひろし代表は『FIAの指導により
タイヤの溝を増やしただけでなく、コンパウンドも去年のものより数段硬い
ものを使用している。それなのにラップタイムがこれだけ向上したというこ
とは、タイヤ以外の要素、エンジンやシャシーポテンシャルが大幅に向上し
たとしか考えられない』とコメント。現状を憂慮している。
- [F1]中野信治、ジョーダン・チームとテストドライバー契約を結ぶ(1999.3.5)
5日(金)、ジョーダン・チームはテストドライバーとして中野信治と契約を
結んだことを発表した。
契約は同時にリザーブドライバーとしても結ばれており、万一レギュラー・
ドライバーのデイモン・ヒルか、ハインツ・ハラルド・フレンツェンのどち
らかが出場できなくなった場合にレースに出場する可能性を残している。
- [F1]ベネトンのFTT、実戦投入されるか(1999.3.5)
ベネトン・チームの新型車B199が装備したFTT(フロント・トルク・
トランスファ)について、FIAから合法との内定は出ているものの、依然
として他チームからは疑問の目で見られている。
オーストラリアGPの技術委員は、今回改めて合格の通知を与えたが、昨年
もマクラーレンのリア・ブレーキ・システムが他チームからの抗議によって
結果的には廃止に追い込まれた経緯もあり、ベネトン・チームとしては難し
い判断をしなければならなくなっている。
- [F1]シルベスター・スタローンのF1映画は2000年に公開予定
かねてより意欲的にF1をテーマとした映画作成に取り組んでいるハリウッ
ドスターのシルベスター・スタローンは、この映画の公開が2000年に
なることを明らかにした。
総製作費、約110億円にもおよぶこの映画のタイトルは、すでに『Into
Thin Air』と内定しているが、映画の中ではスタローン自身もF1ドライ
バーでの出演が期待されており、実際にしばしばフェラーリのピットでミ
ハエル・シューマッハからアドバイスを受ける姿が目撃されている。
- [訃報]元フェラーリのウンベルト・マリオーリ氏死去(1999.3.4)
1950年代にフェラーリなどからF1に参戦していたウンベルト・マリ
オーリ氏が、3日(水)、死去した。
フェラーリ・ジュニアチームのほか、マセラティやポルシェでも出走。最
高位は1954年と1955年のいずれも3位。
また同氏はスポーツカーレースでも活躍。タルガフィオーリオを2度制覇。
セブリング12時間などでも勝利を収めている。
享年70歳。
- [F1]FIA、開幕戦を前に可変ウィング使用に警告(1999.3.3)
FIAのチャーリー・ホワイティング技術代表は、開幕戦のオーストラリア
GPを前に各チームの技術者に対して、噂になっている可変ウィング(フレ
キシブル・ウィング)の使用に警告を与えた。
これはリアウィングに軟材質のものを使うことによってストレートで高速走
行になった際に傾斜する。これによりドラッグを低減させるというもの。
各チームとも公式には認めていないものの、すでにシーズン前のテストで数
チームが使用し、他チームから抗議の声が上がっていた。
ホワイティング氏は、オーストラリアGPでの走行でその使用が明らかにな
れば出場停止処分にするとしているが、実際にそれを確認するのは極めて困
難であるとの見方もある。
- [F1]いまだクラッシュテスト不合格チームあり(1999.3.3)
開幕戦のオーストラリアGPまであと数日だが、事前にクラッシュテストに
合格したのは9チーム。いまだ2チームが合格していないことが分かった。
チーム名は明らかにされていないものの、ベネトン、BAR、アロウズは
合格を公式に発表していない。
昨シーズンはプロストチームのAP01がフリー走行直前にやっと合格した
経緯がある。
- [F1]高木虎之介のアロウズ入りが正式発表(1999.3.1)
高木虎之介のアロウズ・チーム入りが、1日(月)、都内のホテルで正式に
発表された。チームメイトはすでに発表されている通りペドロ・デ・ラ・
ロサ(スペイン)となり、フォーミュラ・ニッポン出身ドライバー同士とな
る。
同チームのスポンサーシップ・ディレクター、リチャード・ウェスト氏は
「高木は素晴らしいスピードを持っており、そのパフォーマンスにチーム
全体が満足している」と語った。
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