海外モータースポーツニュース
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1999年5月
- [F1]スペインGPもサーキット変更か(1999.5.31)
イギリスGP、フランスGPの開催場所が変更されるというニュースがあ
わただしくパドックを駆けめぐっているが、今度は昨日決勝レースが行な
われたばかりのスペインGPにも同様の噂が持ち上がっている。
現在スペインGPは1991年以来バルセロナ市のカタロニア・サーキッ
トで行なわれているが、これをバレンシア郊外の新設サーキットで行なう
というもの。このサーキットでは2輪GPが開催されているが、その統括
元であるFIMもこの案に同意しているといわれている。
- [F1]バリチェロ(スチュワート)、スペインGP失格(1999.5.31)
30日(日)行なわれたスペインGP決勝レース後の車両検査で、スチュ
ワート・チームのルーベンス・バリチェロのマシンがレギュレーション違
反とされ、本GPの結果から除外された。
違反内容は明らかにされていないが、モノコック関係だと見られている。
スチュワート・チームはこの裁定に納得していない模様。
ただ、バリチェロは8位でフィニッシュしているため、選手権ポイントに
は関係はなく、実質的な損失はない。
- [F1]メルセデス、カスタマーエンジン供給の噂を否定(1999.5.25)
メルセデスでは、来季からカスタマー向けのF1エンジンの供給を始める
のではないかという噂が持ち上がっていることに対して、ノルベルト・ハ
ウグ代表はこれを否定した。
噂では、メルセデス社がクライスラー社と合併したことに基づき、「クラ
イスラー」ブランドでのF1エンジンを供給するというもの。
メルセデスのワークスエンジンについては、マクラーレン・チームが2002
年シーズンまでの独占供給契約を結んでいる。
- [F1]ウィリアムズ、スペインGPから潜望鏡型エクゾーストシステムを採用(1999.5.24)
ウィリアムズ・チームでは、次戦スペインGPからフェラーリが採用して
いるのと同様の潜望鏡型エクゾーストシステムを採用することになる模様。
これは、主にエアロダイナミクス面での向上が目的だが、同時にリアウィ
ングに対する熱処理の面でも大きな効果があるとされている。
- [F1]ホンダ、BARへのエンジン供給を発表(1999.5.21)
2000年シーズンからのF1本格復帰を発表していた本田技研工業は、
21日(金)、BARと共同でシャシー開発を行なうと共に、エンジン供給
を行なうことを発表した。
同社の吉野浩行社長は「チャレンジかつユニークな計画。数チームからエ
ンジン供給の誘いを受けたが、ホンダのシャシー製造に合意したのがBA
Rだった」と提携の理由を語っている。
しかし、契約はBAR側がシャシー製作からレース運営、ドライバー契約
まで全ての分野でイニシアティブを握ることになるもので、昨年3月に行
なわれた川本信彦社長(当時)のコメントからは大きく後退したという印象
は否めず、ホンダとして大きなイメージダウンになることは避けられない。
なお、ジョーダンチームに対する無限ホンダエンジンの供給はこれまで通
り行なわれることになる。
- [F1]BAR、今季限りでスーパーテックとの契約を打ち切り(1999.5.21)
2000年シーズンまでスーパーテック・エンジン搭載の契約を結んでい
たBARチームだが、20日(木)、予想通り今季限りで契約を打ち切るこ
とを正式に発表した。
BARのクレイグ・ポロック代表は「スーパーテック・エンジンのパフォー
マンスにはたいへん満足しているが、長期的な展望に立った場合、その開
発について我々の希望とは相容れないものがあった」と語った。
同氏は、まだ来季の搭載エンジンについて明らかにしなかったものの、予
想ではホンダからエンジン供給を受けることになると見られている。
- [F1]ミカ・サロ、スペインGPでもBARをドライブ(1999.5.18)
リカルド・ツォンタの負傷により代役としてBARをドライブしているミ
カ・サロが、次戦のスペインGPでも再びドライブすることになりそうだ。
これが実現すれば、サロにとって今季3戦目となる。
- [CART]マーク・ブランデル、テストでクラッシュ(1999.5.6)
4日(火)、パック・ウェストのマーク・ブランデルがゲートウェイでのテ
スト走行中にターン3のウォールにクラッシュし、そのまま病院に入院す
ることになった。
テストも終盤にさしかかってきた頃に、彼のマシンは突然リアがブレーク
し、コントロールを失ってウォールに後向きにクラッシュした。マシンは
ウォール沿いにそのまま数百メートル滑べっていき、ようやく止まった。
ブランデルは脳震とうを起こしていたため、すぐにセント・エリザベス・
メディカル・センターに送られ、レントゲン撮影などの検査を受けたが、
観察のためそのまま入院することになった。
- [CART]ペンスキー、ローラシャシーを購入(1999.6.6)
3日(月)、チーム・ペンスキーは自身のシャシー性能向上のためにローラ
シャシーを購入したことを明らかにした。
このシャシーは元々使われていなかったベッテンハウゼンチームのもので、
リオのレースが終了してからテストが開始される予定だという。
- [F1]フランスGP、2002年からポールリカールでの開催となる(1999.5.15)
イギリスGPと同様、長い歴史を持つフランスGPが、こちらもまた
2002年シーズンからポールリカール・サーキットへ移行すること
が、14日(金)、ドイツのRTL放送によって伝えられた。
ポールリカールへはFOAの場ーにー・エクレストン氏が訪れており、
その噂もモナコでも流れていた。
- [F1]イギリスGP、2002年からブランズハッチでの開催となる(1999.5.15)
ブランズハッチ・サーキットを運営するBHL(ブランズハッチ・レジャー)
社のニコラ・ファールストン氏は、14日(金)、2002年からイギリ
スGPの開催が現在のシルバーストーンからブランズハッチに移行する
と発表した。
同氏によれば、すでにFOA(フォーミュラ・ワン・アドミニストレー
ション)と6年契約(さらに5年のオプション)を締結しているといい、
これにより最低でも2007年まではブランズハッチでイギリスGPが
開催されることが確定した。
同サーキットは1986年にヨーロッパGPとしてF1を開催した経験
があるが、今後30億ドル(約3300億円)をかけて設備を改修するこ
とになる。
- [F1]ベネトン、バーガーキングと提携(1999.5.14)
ベネトンの系列会社である「オートグリル」社が、巨大レストラン・
チェーン「バーガーキング」社とイタリア国内の業務に関する提携を行
なった模様。
これにより、間接的ではあるものの、ベネトン・チームはさらにチーム
を支えるスポンサーシップを強固なものにしたことになる。
- [F1]苦悩のBMW、フォードのデザイナーに触手を伸ばす(1999.5.14)
モナコGPの会場でフォード・モータースポーツの関係者が明らかにした
ところによれば、来季からF1に復帰する予定のBMWが、フォードのデ
ザイナーであるアラン・コーウェル氏に接触を始めたとのことだ。
同氏は、今季目覚しい躍進を遂げたフォード・エンジン設計の立役者とも
いわれている敏腕デザイナーである。
- [F1]アメリカGP、2000年開催へ(1999.5.11)
1991年のフェニックス以来、アメリカでのF1グランプリは開催され
ていないが、いよいよ来シーズンから再び行なわれることになりそうだ。
10日(月)、F1グランプリ開催場所であるインディアナポリスのトニー
・ジョージ会長が語ったもので、それによれば、アメリカGPの開催は
2000年9月24日になるという。開催場所となるインディアナポリス
スピードウェイでは、すでに1周約4.2kmのロード・サーキット併設
のための工事が行なわれている。
- [F1]BMWのF1エンジン開発に再び遅れか(1999.5.9)
来シーズンからウィリアムズに搭載されてF1復帰を予定しているBMW
だが、先月末に行なわれた初テストの結果からいくつかの問題があること
が分かってきた。
テストドライバーのヨルグ・ミュラー自身は「とてもスムーズだった」と
だけコメントしていたが、どうやらエンジンパワーそのものに問題があっ
たようだ。
これにより、BMWのF1エンジン開発スケジュールは再び1〜2ヶ月程
度の遅れが出るようだ。
- [F1]トヨタのミナルディ買収交渉が進展か(1999.5.9)
トヨタが数年後の本格的なF1参戦に向け、ザウバーなど数チームと交渉
を行なっていることが噂になっているが、米国トヨタの有力ディーラーの
オーナーでもあるロジャー・ペンスキー氏が語ったところによれば、この
うちミナルディとの買収交渉が進展の兆しを見せているという。
これがうまくまとまれば、トヨタは早ければ2001年シーズンにもF1
参戦が可能となる。
- [F1]スーパーテック、来季も生き残るか(1999.5.6)
フォードが来季からスチュワート・チームへのエンジンの単独供給を決め
たことで、スーパーテックにもその影響が及んできそうだ。
今季アンダーパワーを指摘されているスーパーテック(元ルノーワークス)
では、現在3チームにエンジンを供給しているが、このうちウィリアムズ
は既にBMWに移行することが決まっており、BARはホンダを獲得する
のではないかと見られている。残るベネトンはフォードと交渉していたと
されているが、今回の発表で再びスーパーテックに頼らざるを得なくなっ
てきた。
- [CART]服部茂章、シート喪失の危機(1999.5.5)
ナザレスのレースでもフリー走行中に今季4度目となるアクシデントを起
こし、レースへの出場を取り消されてしまった服部茂章だが、CARTス
チュワートのウォーリー・ダレンバックからテストの結果次第では今後の
レース出場を許可しないと通告を受けたようだ。
ダレンバックは、「我々は、テストの後にタイムシートをチェックするこ
とになる。もし彼が十分なスピードを出しているようならば、ゲートウェ
イに出場することを許可する」と語った。
一方、チームオーナーであるベッテンハウゼンは、「新しいダウンフォー
スエアロダイナミックパッケージをテストする機会がなかったため、どう
しても守りのレースになってしまっている」と語っている。事実、彼が小
さなウィングを使ってオーバルを走るのはレース当日の金曜日であった。
服部は、今回の出来事について「トラックを走っている間中、マシンと戦っ
ている感じだった。チームにとっては最悪の結果だ。僕らはもっと経験を
積む必要がある」と語っている。
- [Misc]パノス、Gフォースを買収か(1999.5.5)
スポーツカーレーシングで活躍し、チームやサーキットを持っているドン・
パノスが、IRLやフォーミュラニッポンのシャシー製作をしているイギ
リスのコンストラクターのGフォースを買収するのではないかという噂が
広がっている。
当の本人はこの件について直接コメントすることを避けている。
- [F1]ミカ・サロ、モナコGPもツォンタの代役で出場(1999.5.5)
BARチームのクレイグ・ポロック代表は、来週のF1第4戦モナコGP
にもリカルド・ツォンタの代役としてミカ・サロを起用することを明らか
にした。
同代表によれば、左足の腱を傷めたツォンタは順調に回復しつつあるもの
の、医師のアドバイスも考慮した上で、無理をしてモナコGPに出場する
よりも、完全に治癒させてから復帰する方が長い目で見てツォンタ自身の
ためになると判断し、本人にも告げたという。
同時にサンマリノGPとその前のヘレス・テストで見せたミカ・サロの走
りにも満足しており、またこれまでサロがモナコGPで見せてきたパフォー
マンスを踏まえた上で今回の活躍を期待しているとも語っている。
- [F1]フォード、来季スチュワート・チームへの単独供給を明言(1999.5.5)
フォード・レーシングのマーティン・ホワイティカー監督は、現在スチュ
ワートとミナルディの2チームに供給しているF1エンジンを来季はス
チュワート・チームへの単独供給とすることを明言した。
同氏は「我々は勝つためにレースをしている。現在F1で十分な競争力
があることを証明しつつあるが、全ての勢力を一つのチームに集中させ
る必要があるという結論に達した」と語った。
これにより、来季フォードF1エンジンはスチュワート・チームへの単
独供給となり、現在カスタマー・エンジンの供給を受けているミナルディ
は別のエンジンを探す必要に迫られることになる。
- [F1-regulation]FIA、F1エンジンを10気筒に制限することを検討(1999.5.4)
FIAの技術委員会では、F1エンジンを今後10気筒に制限することを
検討していることを明らかにした。
これは、今後参戦が予想されているホンダやBMWなどがいずれもV12
エンジンを開発していると見られることから始まったもの。
よりパワフルなV12エンジンが登場することになれば、重量が増すこと
やコーナーリングスピードが上がることで危険性が増加し、また、当然フェ
ラーリやメルセデスも対向上12気筒に移行することになると見られ、そ
れらがひいてはF1エンジン開発により多大な出費を強いることを懸念し
ている。
さらには全体として信頼性に欠けるエンジンが増えれば、レースそのもの
に悪い影響を与えかねないことを憂慮していると見られている。
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