海外モータースポーツニュース
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1999年7月
- [CART]マグヌッセン、スィフトをテスト(1999.7.30)
元F1ドライバーで、現在FIA−GTにパノスから参戦しているヤン・
マグヌッセンが、パトリック・レーシングのテストドライブをミッド・オ
ハイオで行なうことが明らかになった。
彼がテストするのはスィフト・シャシーで、彼が行なったテストのデータ
はパトリック・レーシングだけでなく、同じくスィフトを使用するニュー
マン・ハース・チームとも共有することになるという。
- [Circuit]ペンスキー、デイトナを買収(1999.7.29)
27日(火)、ペンスキー・モータースポーツは、デイトナ24時間レー
スなどで有名なデイトナ・インターナショナル・レースウェイを買収し
たことを発表した。
ペンスキー・モータースポーツは、ISC(インターナショナル・スピー
ドウェイ・コーポレーション)の一部だが、この買収劇により、ISCは
直接/間接を含めて11のサーキットを所有することになった。
- [F1]BMW−ウィリアムズの契約内容が明らかに(1999.7.27)
先に発表されたBMWとウィリアムズ・チームとの新しい契約について、
26日(月)、その基本的な内容が明らかにされた
それによれば、噂通り、1997年に合意されたBMWによるエンジン
供給のみならず、BMWが商業契約についても大きく関わることになり、
財政面でも完全にBMWが主導権を握ることになった。
- [F1]F1用エアバックの開発、断念(1999.7.23)
ドイツの『シュポルト・アウト』誌は、23日(金)、これまで続けられて
きたF1用のエアバッグ・システムの開発が断念されたと伝えた。
同誌によれば、F1レースという特殊な環境の中で、極度に狭いコクピッ
トや、エアバッグを動作させるタイミング設定の難しさなど、困難な条件
が多い上に、ブレーキング時やバトル時の接触によるGの感知など、エア
バッグを誤動作させる要因が多すぎることが理由であるとされている。
- [F1]エディ・アーバイン、ナンバー2待遇ならばフェラーリ離脱(1999.7.23)
フェラーリ・チームのエディ・アーバインは、このほどルカ・モンテツェ
モロ社長と会談を持った。その席上、今後はナンバー1扱いを求めたよう
だ。
現在はミハエル・シューマッハ不在により事実上のナンバー1待遇を得て
いるが、来季は当初からジョイント・ナンバー1であることが残留の条件
となっているようだ。もし、来季もナンバー2扱いであればチームを離脱
すると伝えている模様。
仮に、アーバインがフェラーリを離脱した場合、12億円以上のオファー
を出していると言われているフォード(スチュワート)に移籍する可能性が
高い。
- [F1]ポール・スチュワート、チームのCOO(運営責任者)に就任(1999.7.17)
新しくスチュワート・チームの母体となったフォード社は、念願のF1
タイトル獲得に向けて、このほどチーム運営体制の改変を行なった。そ
の中で、ポール・スチュワート氏を新生チームの運営責任者であるCOO
(Chief Operating Officer)に任命した。
フォード社はこれまでフォード側のマネージング・ディレクターとして
デビッド・リング氏を起用していたが、今回の再編により同氏はフォー
ド社に戻ることとなる。
- [F1]ブレンボ、事故の責任を否定(1999.7.16)
フェラーリ・チームが発表した公式のリリースにおいて、ミハエル・
シューマッハの事故原因が左リア・ブレーキキャリパーのブリーダーに
あったとされている件について、メーカーのブレンボ社は、製品には欠
陥がなかったことを主張。フェラーリ・チームもこれを認めた。
ブレンボは、モータースポーツ用ブレーキ・メーカーとしてトップにあ
り、今回のフェラーリ・チームの発表に強く反発していた。
- [F1]ミハエル・シューマッハの骨折により、史上最高額の保険金支払へ(1999.7.16)
イギリスの『デイリー・エキスプレス紙』が15日報じたところによれ
ば、イギリスGPで負傷したミハエル・シューマッハに対する保険金支
払について、『史上最高額の骨折』となるとのこと。
それによれば、シューマッハに支払われる保険金は一日当たり約1280
万円、復帰が10月になると保険金の支払総額は約7億8千万円にもな
り、これは史上最高額となる。
しかし、保険会社によれば収入に見合った支払であるという。気になる
掛金だが一ヶ月当たり約3940万円にも達しているという………
- [F1]デイモン・ヒル、シーズン終了まで出場することに(1999.7.14)
ジョーダン・チームは14日(水)、同チームのデイモン・ヒルが今シー
ズン終了まで出場することを発表した。
ヒルは、「チームのコンストラクターズ・ポイント獲得のために続投す
る」とコメント。エディ・ジョーダン代表は「残り8レース、ヒルが走っ
てくれることは大きな貢献になる」と評価している。
ヒルとエディ・ジョーダンファミリーは、共にホリデーへ。モンツァで
のテストはフレンツェンとテストドライバーの中野信治が務める。
- [F1]ミカ・サロ、ミハエル・シューマッハの代役に(1999.7.14)
フェラーリ・チームは13日(火)、イギリスGPで負傷したミハエル・
シューマッハの代役としてミカ・サロ(フィンランド)を起用することを
発表した。
サロは今季BARから3戦に出場している。
- [F1]ダイムラー・クライスラー社、マクラーレンの株式の40%を取得(1999.7.13)
このほどメルセデスの親会社であるダイムラー・クライスラー社がマク
ラーレン・メルセデス・チームの母体であるTAGマクラーレン社の株
式の40%を取得したことが明らかになった。
これにより、マクラーレンの株式はロン・デニス氏が30%、TAGの
オジエ兄弟が30%、そしてダイムラー・クライスラーが40%という
ことになる。
- [F1-GB GP]シューマッハのアクシデントの原因(1999.7.13)
イギリスGPでのミハエル・シューマッハのアクシデントの原因がチー
ムから発表された。それによれば、「リアブレーキのトラブル」という
ことだったが、関係者からは疑問の声が上がっている。
仮にリアブレーキが効かなかったとしても、全く速度を落すことなくバ
リアまで突進した様子(むしろ加速を続けたようにも見えた)だったこと
を考えると、やはりスロットルが閉じなかった可能性が高いのではない
かといわれている。
- [Misc]メルセデス、F1技術を駆使したスーパースポーツカー発売へ(1999.7.10)
ドイツのダイムラー・クライスラー社は9日(金)、イギリスのマクラー
レン・インターナショナルと共同開発したスーパースポーツカー『メル
セデスCLR』を2003年から販売すると発表した。
これは、F1に参戦しているマクラーレン・メルセデス・チームで培わ
れたF1最先端テクノロジーを駆使したもので、最高速は約330キロ
と超高性能のもの。販売価格は未定だが、6500万円程度になると見
られており、こちらも『超弩級』になると推測されている。
- [F1]スチュワート・チーム、新スポンサー『グローバル・ビーチ』獲得(1999.7.10)
スチュワート・チームは9日(金)、新スポンサー『グローバル・ビーチ』
社と2年間のスポンサー契約を結んだことを明らかにした。
グローバル・ビーチ社はソフトウェア開発会社で、今後同チームに対し
新メディア・プログラムの開発、またインターネットでのウェブサイト
の構築などに対しても技術援助を行なう予定。
- [F1]アロウズ・チーム、来季はスーパーテック・エンジン搭載へ(1999.7.10)
アロウズ・チームは9日(金)、イギリスGPが行なわれているシルバー
・ストーン・サーキットにおいて、来季スーパーテック・エンジンを搭
載することで契約が合意したことを発表した。
アロウズ・チームでは、これまで自社開発エンジンを使用してきたが、
そのパフォーマンス不足に泣き、今回のスーパーテック搭載となったよ
うだ。
なお、今季スーパーテック・エンジンを使用しているウィリアムズは来
季BMWに、またBARはホンダ・エンジンに変更されることがそれぞ
れ決定しており、スーパーテック側としても歓迎される契約となった。
- [F1]ザウバー・チーム、来季もフェラーリ・エンジンを使用へ(1999.7.9)
1997年以来、フェラーリ・エンジンを搭載しているザウバー・チー
ムは来季も契約を延長。準ワークスエンジン使用4年目に入ることになっ
た。
噂では、フェラーリ・エンジンの使用料は年間約38億円になるといわ
れているが、同チームのペーター・ザウバー代表は『現在入手可能なエ
ンジンとしては最強のもの。引続きフェラーリエンジンが使えることは
非常に喜ばしいことだ』と語っている。
来季、ザウバー・チームに供給されるのは今年フェラーリが使用してい
る048エンジンが供給される見込みで、18,000回転で約800
馬力を発生しているものと見られている。
- [F1]ジョーダン・チーム、フレンツェンの残留を発表(1999.7.8)
7日(水)、ジョーダン・チームは同チームのハインツ・ハラルド・フレ
ンツェンに対し、オプション契約を行使。これにより2000年シーズ
ンも残留することを明らかにした。
この契約についてエディ・ジョーダン代表は『今シーズン、わがチーム
がコンストラクターズ・ランキングで3位にいるのは、ひとえにハイン
ツがそのスピードとパフォーマンスを一貫して示していることによるも
のだ』と讃えている。
またフレンツェンは、『2000年シーズンについて、ジョーダンが早
くも僕の可能性を評価してくれたことを喜んでいる。来季はさらに素晴
らしい結果が残せるよう、チームと共に頑張っていくつもりだ』と語っ
ている。
なお、イギリスGP限りで引退するデイモン・ヒルの替わりのドライバー
については、依然発表されていない。
- [F1]BMW、予想通りウィリアムズのタイトルスポンサーとなる(1999.7.7)
メインスポンサーのウィンフィールドを失うことになったウィリアムズ
・チームだが、BMWは6日(火)、予想通り同チームへの関わりをさら
に深くすることを明らかにした。
これによりBMWは、エンジン供給などテクニカルな部分だけでなく、
資金面でも大きくチームに関与することになると見られている。おそら
く来季のチームの正式名称は『ウィリアムズ・BMW』ではなく『BMW
・ウィリアムズ』となると見られている。
- [CART IRL]CARTとIRLの統合問題(1999.7.6)
バルボリンがCARTからの撤退を発表したばかりだが、2000年の
レース出場が危ぶまれているチームはこれだけではない。
CARTでは、4チームが財政的な問題を抱えていて、来年のレースに
出場することができなくなる可能性がある。またIRLにおいては6チー
ムが今シーズンを最後まで戦うことができなくなると見られている。
このような危機を迎えてもなお、IRLのオーナーは公式にはCART
への歩み寄りはあり得ないと公言し続けているが、このままでは2000
年にはIRLのレースが開催できるほど参加チームが集まらないことに
なりそうだ。CARTの方も、空前の好景気を続けるアメリカ株式市場
の中で、自身の株価が下がり続けると言う危機の中にいる。
このまま両シリーズが分割を続けるならば、両シリーズとも破滅へと突
き進んでしまうのが自明の理となりつつあるのが現状である。
数週間前、IRLのトニー・ジョージとCARTのエンジンメーカーで
あるフォード、ホンダ、トヨタ、メルセデスが会談を持ち、CARTと
IRLを統合するために彼が望むものは何かをズバリ尋ねたという。
CART側は、IRL側にCART株を譲渡するという大幅な譲歩さえ
提案しているという。しかし、IRLチームオーナーのAJフォイトと
IRLエクスクルーシブ・ディレクターのレオ・メールは、両シリーズ
を統合するようなくだらない話を聞く耳を持たないと、ガンとして応じ
る気配がないという。
- [CART]CART、マイノリティを支援(1999.7.6)
チャンピオン・シップ・オート・レーシング・チーム(CART)と二つの
トップチームは、アフリカ系アメリカ人ドライバーを支援するプランを発
表した。
このプログラムは、アフリカ系アメリカ人がオーナーであるミラー・レー
シング・グループでこの秋から開始され、2人のアフリカ系アメリカ人ド
ライバーがクール/トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップに参戦
しているアルシエロ・ウェルス・レーシングのテストを受けることになる。
その後、候補に選ばれたドライバーは、チーム・グリーンのインディライ
ツのテストを受けることになり、最終的には最高峰であるCARTへとス
テップアップを果たすことになる。
- [CART]バルボリン、スポンサー活動を終了(1999.7.3)
2日(金)、バルボリンは、ウォーカー・レーシングへのスポンサーを今
年限りで終了すると発表した。
バルボリンは、1994年よりウォーカー・レーシングのスポンサーを
開始したが、CARTとの関わりはさらに古く、それ以前はギャレス・
レーシングのスポンサーを行なっていた。1990年にはアル・アンサー
JrがPPGカップを獲得し、1992年にはインディ500も制して
いる。
- [F1]ゲイリー・アンダーソン、今度はベネトン・チームに移籍か(1999.7.3)
昨年、8年間に渡って在籍したジョーダン・チームを離れてスチュワー
ト・チームに移籍したゲイリー・アンダーソン氏だが、今度はベネトン
・チームに再移籍するという噂が広まっている。
ベネトンでは、先にFIAのチャーリー・ホワイティング技術委員、ま
たプロスト・チームに移籍したアラン・ジェンキンス氏など移籍の噂に
は事欠かないようだ。
- [F1]ウィンフィールド、今季限りでF1からの撤退を表明(1999.7.3)
ウィリアムズ・チームのメインスポンサーである『ウィンフィールド』
(ロスマンズ・インターナショナル社)は、2日(金)、今季限りでF1か
ら撤退することを表明した。
ロスマンズ社は94年から同チームをサポートしてきたが、昨年BAT
(ブリティシュ・アメリカン・タバコ)社に買収されていた。
なお、ウィリアムズは来季からBMWエンジンを搭載することになって
いるが、こうしたこともスポンサー撤退の一因であると見られている。
BMWはエンジン供給だけでなく、資金面でも大幅に同チームに関与す
ると見られている。
- [FIA-GT]ランボルギーニ、参戦へ(1999.7.2)
18日(日)に予定されているオランダ・ゾルダーでのレースにランボル
ギーニ・ディアブロが参戦する見通しだ。
FIA−GTの主催者は、さらにフェラーリやロータス、ジャガーなど
のメーカーの参戦を望んでいるが、今年始めに起こったフェラーリF50
ホモロゲーション拒否の問題がいまだに尾を引いているようで、これ以
上のマシンの参戦については、どのメーカーも二の足を踏んでいるよう
だ。
- [F1]FIA−GT、来年はシルエット・フォーミュラに?(1999.7.1)
FIA−GTテクニカル・グループは、FIAに対してFIA−GTは
シルエット・フォーミュラに移行するのが望ましいとする報告書を提出
した。
この報告書によると、エンジンとサスペンションは「自由」に製作する
ことができるという。この報告書通りにレギュレーションが改定されれ
ば、シリーズにポルシェやバイパー以外のマシンが参入しやすくなるこ
とは確かだが、それが望まれているかどうかが意見の分かれるところと
なりそうだ。
この報告書に関する討議は、6月末に開催されたFIAワールド・カウ
ンシルで行なわれているはずである。
- [F1]EU、FIAに対し競争法(独禁法)違反の疑いを示唆(1999.7.1)
EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会は、30日(水)、欧州での
自動車レースを主催するFIAが、レースのテレビ放映権獲得・供与に
当たって独占的立場を利用して競争を制限しているとし、EU競争法違
反の疑いで、改善措置に向けた手続きを開始したと発表した。
FIAは、同連盟が認可したレースを含めてすべての自動車イベントの
テレビ放映権があると主張、F1レースの放映権を販売するFOA(フォー
ミュラ・ワン・アドミニストレーション:バーにー・エクレストン代表)、
その他の国際イベントの放映権を販売するISC(インターナショナル・
スポーツワールド・コミュニケーターズ)の2社に独占供与している。
- [F1]デイモン・ヒル、イギリスGP後に引退を発表(1999.7.1)
フランスGPでのリタイア後に、シーズン途中での引退を示唆していた
ジョーダン・チームのデイモン・ヒルは、30日(水)、イギリスGPを
最後のレースとして引退することを明らかにした。
ヒルは今日(1日)、明日とシルバーストーンでの合同テストにフレン
ツェン、中野信治らと共に参加する予定になっている。
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