モータースポーツニュース
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2001年4月
- [F1-Person]ミケーレ・アルボレート、
事故死(2001.4.26)
1980年代から90年代にかけて、ティレルやフェラーリ、そしてフッ
トワークなどで活躍した元F1ドライバーのミケーレ・アルボレートが、
25日(水)、ドイツのラウシツリンク・サーキットで事故死した。享年
44歳。
アルボレートは今年のルマン24時間レースのためにアウディR8でテ
ストを行なっていたが、ストレートを走行中、何らかのマシントラブル
に見舞われ高速でコースアウト、クラッシュした。
アウディ・モータースポーツのウルフガング・ウルリッヒ代表は「R8
はこれまで数千キロに渡って大きな問題なく走行を重ねている。まだ何
が起きたのか究明されていないが、ミケーレのナディア夫人と2人の娘
さんに対し、深い弔意を表明する」と語った。
またこのニュースを聞いたフェラーリのルカ・モンテツェモロ社長は
「ミケーレはフェラーリの歴史の中でたいへん重要な役割を果たした。
彼は特に技術的な面で長けていて、マシンの開発に貢献した。彼の死を
聞いて、深い悲しみを覚える」と語っている。
- [F1-Misc]FIA、SLECと100
年放映権合意へ(2001.4.25)
FIAのモータースポーツ評議会は、24日(火)、パリで臨時の会議を
開き、かねて交渉中だったF1の100年間に渡る放映権委譲で、SL
ECと合意に達した模様だ。
SLECはF1を牛耳るFIA副会長のバーニー・エクレストン氏が代
表を務めており、さらにドイツのメディア・グループ『キルヒ』に売却
が噂されていることから、F1放送が有料のデジタル放送のみになると
してヨーロッパ自動車工業会が強く反発していた。(キルヒは2002
年サッカーW杯の独占放映も行なう見込み)
詳細は明らかでないものの、無料放送が確約されたものと思われる。な
お、現在のコンコルド協定が有効な2007年末まではこの契約は影響
を及ぼさない。
- [F-Nippon]第2戦もてぎでドーピング
検査実施される(2001.4.24)
22日にツインリンクもてぎで行われたフォーミュラ・ニッポンの予選
終了後、日本自動車連盟(JAF)により、国内4輪レースとしては初め
てとなるドーピング検査が行われた。
オリンピックなどではお馴染みのこの検査。抜き打ちで数名のドライバー
に対して行われたが、厳格な検査に受けたドライバーはかなり戸惑った
ようだ。
JAFモータースポーツ局によると、検査を実施したのは「FIAとF
IM(2輪)でアンチ・ドーピングの共同声明を出すなど国際的な流れで
あることと、日本人ドライバーも海外へ出る機会が多くなったので検査
に慣れてもらいたい」という理由からとのこと。
実際、昨年のFIAイベントで日本人ドライバーが陽性反応となった事
実もある。
2輪レースでは昨年から行っており、今後ドライバーやライダーはスポー
ツ選手として、ドーピングに対しての知識や認識をきちんと持つ必要が
あるようだ。
- [F1-Person]アン・ブラッドショー女
史、現場復帰(2001.4.24)
F1での名物広報アン・ブラッドショー女史が、再びウィリアムズ・チー
ムに復帰することになった。
これは現チーム広報のシルビア・ホファーさんが出産のために退職する
ためで、ウィリアムズを辞めた後、いったんアロウズで復帰したりして
いたブラッドショーさんだが、再び懐かしい古巣ウィリアムズ・チーム
で広報の職に当たることになる。今週の次戦・スペインGPから復帰す
る予定ということだ。
- [F1]-Driver]ブルティ、次戦からプロ
ストをドライブ(2001.4.20)
前日、所属するジャガー・チームから今季限りの放出を伝えられたルチ
アーノ・ブルティだが、一転プロスト・チームとの契約がまとまり、次
戦からペドロ・デ・ラ・ロサがジャガー・チームから、ブルティはプロ
スト・チームより参戦することが明らかとなった。プロストでは、ガス
トン・マッツァカーネと交替することになる。
これはブルティが自身のウェブサイトで明かしたもので、チーム関連の
CEOに就任したニキ・ラウダ氏から放出を伝えられたブールティは、
プロストとブラジルGP当時から交渉を続けていたという。その後ジャ
ガー・チームでもこれを公式に認めた。
ブルティはスチュワート時代に元トリプル世界チャンピオンであるジャッ
キー・スチュワート氏に認められてF1へ。しかし同じく元トリプル世
界チャンピオンのニキ・ラウダ氏に首を切られた後、今度は元4回世界
チャンピオンのアラン・プロスト氏に拾われる、という数奇なかつ皮肉
な運命を辿ることとなる。
- [F1-Driver]ブルティ、放出
(2001.4.19)
ジャガー・レーシングのニキ・ラウダ氏は、ルチアーノ・ブルティが2
002年はジャガーのドライバーを解雇され、現在テストドライバーを
勤めているペドロ・デ・ラ・ロサがレギュラードライバーとなる事を確
認した。
ブルティは、「サンマリノでチームから知らされたんだ。でも正直言っ
て、すごくびっくりしたって訳じゃないけどね。おおかたわかってたこ
とだし。F1で自分自身を証明する機会を作ってくれたジャガーには感
謝しているよ」と傷心の表情で語ったという。
- [F1-TestDriver]J.コシェット、プ
ロストのテストドライバーに(2001.4.18)
プロスト・チームは17日(火)、フランスのジョナサン・コシェット
(24歳)とテストドライバーとして契約したことを発表した。
コシェットは昨年フランスF3選手権で日本の福田良らと戦い、みごと
シリーズ・チャンピオンに輝いた若手のホープ。
チームではさっそく現在シルバーストーンで行われている合同テストに
参加させる予定という。なお、プロスト・チームにはステファン・サラ
ザンもテストドライバーとして在籍している。
アラン・プロスト代表は「ジョナサンにはカート時代から注目していた。
彼は若いがたいへん有能なドライバーで、必ずやわれわれのチームの開
発に大きな貢献を果たしてくれると確信している」と語った。
- [Rally]日本初の国際格式ラリー、5
月に開催(2001.4.17)
16日(月)、オストリッチ・カー・クラブは5月19・20日の2日間、
日本国内では初の国際格式ラリーとなる『日本アルペンラリー』が、群
馬県内で行われることを発表した。
舞台となるのは群馬県嬬恋村、長野原町、草津町、六合村、吾妻町の5
町村で、総走行距離は約400キロ。このうちSS(競技区間)は約70
キロ。コースはすべて舗装路である。
大会事務局によれば、すでにスバルのワークスから、日本のWRCラリー
ストである新井敏弘らがエントリーしているという。
- [F1-Misc]ザウバー・チーム、新パー
トナーを発表(2001.4.13)
12日(木)、ザウバーはチームの新しいパートナーとして『INモーショ
ン』社と契約がまとまったことを発表した。
同社はモデムなどコンピュータ周辺機器のメーカーで、ザウバー・チー
ムではこの提携により映像などを含めたマルチメディアでの新たな展開
をも図る予定ということだ。
- [F1-Machine]プロスト、イモラに改良
マシン投入(2001.4.12)
開幕の3戦、しばしばジャン・アレジがポイント圏内を走行する健闘を
みせながらもいまだにポイント獲得を果たしていないプロスト・チーム
では、今週始まるヨーロッパ・ラウンドの緒戦サンマリノGPから改良
型のマシンを投入することを明らかにした。
同チームのアンリ・デュラン/テクニカル・ディレクターによれば、今
度のマシンにはブレーキの改良と共に冷却システムも変更、またエアロ
ダイナミックス面でも新しいパーツを採用するということだ。
同時にミシュランタイヤもさらにそのパフォーマンスを向上させたとい
うことで、チームではこれによりまず予選でのトップ10圏内を目指す
という。
- [Circuit]ロシアのサーキット、建設
に着手(2001.4.11)
かねて話が進められていたロシアの本格的なサーキット建設が、いよい
よ具体的にGOが掛かったようだ。
これはモスクワ市とTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)が共
同で行うプロジェクトで、モスクワ郊外のナガティノ島に建設予定のも
の。すでにバーニー・エクレストン氏もモスクワを訪れて同市のイオシ
フ・オルドニキフ市長、グレゴリー・アンドロポフ副市長らと会見して
おり、昨年中にモスクワ市議会でも承認されていた。
それによれば10日(火)、最終的に市当局からも許可が下り、いよいよ
具体的に建設が進められることになる。
- [F-Nippon]ムーンクラフト、第2戦か
ら参戦(2001.4.10)
開幕戦を欠場して今シーズンの参戦が危ぶまれていたムーンクラフト&
道上龍だが、今月22日にツインリンクもてぎ行われる第2戦から参戦
することが発表された。
由良監督は「まだ超えなければいけないハードルはありますが、最高の
ドライバー、最高のマシン、最高のスタッフで臨みますのでお楽しみに」
とシーズン復帰の喜びを語った。
当面は1台のみの参戦となるようだが、チャンピオン候補の一人と目さ
れていた道上が加わることでシーズンの見所が増えることは間違いない。
ムーンクラフトは開幕前の3月9〜10日にもてぎで行われた公式走行
会で、新車レイナード01Lのシェイクダウンにもかかわらずトップタ
イムをマークしており、復帰戦から優勝争いに加わることが予想される。
- [F1-Misc]ペトロナス、WGP用エン
ジンを発表(2001.4.7)
6日、ペトロナスは2輪ワールドGPが開催されている鈴鹿サーキット
にて新しい4ストロークエンジンのプロトタイプを発表した。
フォーミュラ1エンジンの技術を取り入れたとされるこの4ストローク
989ccエンジンのデザイン・開発は、ペトロナスとザウバーの間の
ジョイントベンチャー企業であるザウバー・ペトロナス・エンジニアリ
ングによって行われている。実際の作業に携わっているのは、マレーシ
ア人のエンジニアだという。
エンジンは昨年からデザインが開始され、7月にはプロトタイプエンジ
ンの制作がスタート。9月には部品組立を開始し、12月にはエンジン
が完成。12月17日に初のエンジン始動に成功したという。
- [F1-Media]キルヒ・グループ、ACE
Aに持ち分を譲渡か(2001.4.7)
F1放映権を巡り対立しているキルヒ・グループとACEA(欧州自動
車工業会)だが、キルヒ・グループ(&EM.TV)は全体の75%とみ
られる株式のうち、半分程度をACEAに譲渡することで解決を図りた
い希望のようだ。
しかしそうなるとしても問題はその金額で、ACEA側はまだ強い態度
を崩しておらず、成り行きは依然として予断を許さない状況だ。
- [Personal]星野一義免停に。服部尚貴
がJGTCの代役に(2001.4.6)
星野一義がスピード違反で免停処分を受け、全日本GT選手権開幕戦を
欠場することとなり、その代役に急きょ服部尚貴が抜擢されることになっ
た。
服部は、一ツ山と組んで#21マクラーレンで参戦する計画になってい
たが、星野のピンチに予定を変更。4月4〜5日の合同テストから#1
2カルソニックスカイラインのステアリングを握った。
「すごく素直なクルマです。本山とはセットが同じ方向なんでまかせて
乗れます。星野さんのピンチヒッターでプレッシャーはありますね」と
いう服部は、星野復帰後は予定通り#21マクラーレンに乗ることにな
る。
星野は、免停講習を受ける姿が現在発売中の写真週刊誌に掲載されたが、
それによると90日間の免停を受けた模様で、講習により免停期間が4
5日間とはなるものの第2戦富士の参戦も見送られる可能性が高い。
レースに参戦するには、JAF(日本自動車連盟)の発行する競技者ライ
センスと運転免許証を所持していなければらなず、免停などの処分を受
けるとその間は競技に参加できなくなる。
- [F1-Media]放映権を巡りF1分裂か
(2001.4.5)
F1放映権を巡り、かねてキルヒグループ(ドイツのメディア企業)と対
立関係にあったACEA(欧州自動車工業会)は、4日(水)、現在のF1
に対抗する新たな自動車レース主催会社を設立することで合意したと発
表した。
これは同工業会のパオロ・カンタレラ会長(フィアット社CEO)が明ら
かにしたもので、これには同社(フェラーリ)の他、ダイムラークライス
ラー(メルセデス)、BMW(ウィリアムズ)、ルノー(ベネトン)、フォー
ド(ジャガー)などF1の主要チームが同意している。
これにより、キルヒとの合意が得られなかった場合、50年以上の歴史
を持つF1は分裂する可能性が出てきた。
- [IRL]トヨタ、IRLへエンジン供給
を開始(2001.4.4)
3日、トヨタはインディアナポリス・モーター・スピードウェイにて記
者会見を行い、2003年よりIRLに対してエンジン供給を行うと発
表した。
「トヨタ・モーター・セールスは、1993年にオープンホイルレーシ
ングへの参戦を計画したときからインディアナポリス500に勝利した
いと願ってきたのだ」とトヨタ・レーシング・デベロップメントのCE
Oであるジム・アウスト氏は語った。「2003年、我々はインディ・
レーシング・リーグにエンジンを供給することでインディアナポリスで
勝利する機械を得ることになるだろう。我々は最も偉大なモータースポー
ツのスペクタクルであるインディアナポリス500で戦えることを感激
しているんだ」
トヨタはこれでトップフォーミュラレーシングの全てのカテゴリー(F
1、CART、IRL)でエンジン供給を行う唯一の企業となった。
- [CART]2003年エンジン、今週末に
も決定か(2001.4.4)
今週末、CARTのエンジン委員会が開かれる予定となっているが、こ
の会合でエンジン規格についての合意が得られるようならば、2003
年より開始される新エンジン規格が発表になるかもしれない。
2003年よりエンジン規格を変更する場合のルール上の期限である3
月1日は過ぎてしまっているが、全エンジンメーカーの合意が得られれ
ば問題ないという。
噂によると、現在CARTにエンジンを供給し、F1にもチームとして
参戦しようとしているトヨタが、IRLへのエンジン供給を検討中だと
いう。もちろんIRLとCARTの間のエンジン規格の違いが現在の様
にかけ離れてしまっているのでは問題外だが、同じエンジンブロックが
使用できる等規格が接近した場合、リーズナブルと見ることができると
いう。
トヨタが動けば、ホンダ・フォードも同様にインディ500に向けて作
業を開始するであろう事は容易に想像されるため、もしCARTとIR
Lのエンジン規格が統合されれば、2003年のインディ500にはG
M、ニッサン、トヨタ、ホンダ、フォードの5メーカーのエンジンが戦
う場と化しているかもしれない。
- [F1]プロスト、燃料補給装置の故障に
激怒(2001.4.4)
プロスト・エイサー・チームは度重なる燃料補給装置の故障に頭を抱え
ている。
ブラジルGP決勝のジャン・アレジの最初のピットストップでも、新た
に今年から導入された燃料補給装置に問題が発生し、彼のピットストッ
プ時間が異常に長引いてしまった。彼の燃料補給はアラームモードでジャ
ミングし、これを自動的にリセットするために通常より15秒以上補給
時間が長引く結果となった。プロストによれば、この異常がなければ計
算上アレジは6位でフィニッシュして1ポイントをゲットした可能性が
高いという。
この障害はマレーシアGPにおいてガストン・マッツァカーネも遭遇し
ており、これ以上の妨害は願い下げとしたところだ。
プロスト・エイサーはFIAに対して現象を報告し、装置の開発元であ
るインターテクニックが調査を開始していると言う。
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Copyright (c) Masatsune Wake (2001), wake@wakemasa.com