1998 F1 World Champion Ship
Round1 Australia Grand Prix
1st Half Free Practice Session Report
- 各ドライバー、天候に翻弄される
スリッピーな路面コンディション、強風、突然のにわか雨、加えて、レギュ
レーションにより、今シーズンのスタートとなったこのセッションではスピン
するマシンが続出した。エスケープゾーンに飛び出すマシンもあったが、大き
なダメージを負ったマシンはない。
- マクラーレン、まず主導権を握る
ブリヂストンユーザのマクラーレン・メルセデスのデビッド・クルサードが、
セッション終了間際にトップタイムを叩き出したが、その直後にチームメイト
のミカ・ハッキネンがクルサードのタイムを上回り、コンマ7秒差でトップに
立った。
- ビルニューブ、グッドイヤー勢のトップ
ワールドチャンピオンのジャック・ビルニューブは、新しくなったウィリアム
ズ・メカクロームをドライブして、マクラーレン・メルセデスの両ドライバー
に次ぐ3番手のタイムをマークし、グッドイヤー勢の中ではトップとなった。
しかしながらビルニューブは、コースの湿った場所ではグリップが足らず、思
うようなセッティングが取れないと不満を漏らしていた。
ハインツ・ハラルド・フレンツェンは7番手とやや後方に沈んだ。彼はマシン
をスライドさせてグラベル・トラップに飛び出し、ブレーキ・ダクトにダメー
ジを負ってしまった。さらに、ホイールとブレーキ・キャリパーの間に石が入
り込んでしまい、ホイールも傷つけることとなった。
- フェラーリは4番手と13番手
コースコンディションが良くないこともあり、フェラーリの両ドライバーも思
うようにセッティングを煮積めることができなかった。ミハエル・シューマッ
ハは、セッション序盤でコーナーを曲がり切れずスライドしたり、濡れた路面
に足を滑べらせてスピン・アウトするなどヒヤッとするようなシーンも見られ
たが、最終的にはこのセッション4番手のタイムをマークした。
一方、エディ・アーバインは、悪コンディションではリスキーな走りをせず、
あまり周回をこなしていなかった。こちらは13番手。
- アレジ、5番手のタイムをマーク
ザウバー・ペトロナスのジャン・アレジは、セッション前半にエンジントラブ
ルが発生し大きく出遅れた。実際の走行は30分程度で、おまけに走行中は計
時のトラブルでタイムが表示されないなど散々な目にあったが、それでも5番
手のタイムをマークした。
ジョニー・ハーバートはコースコンディションが良くないことを理由にほとん
ど走行せず、18番手に留まった。
- その他
アロウズのペドロ・ディニスは、トランスミッションのトラブルでコースの真
ん中に止まってしまい、赤旗中断の原因を作ってしまった。このため、チーム
はミカ・サロをピットに呼び戻し、こちらのマシンのギア・ボックスも入念な
チェックを行なった。
ミナルディ・フォードの2台も、エスティバン・トゥエロがコースアウトして
すぐに止まってしまい、中野信治も7周ほど走行したところでエンジンが止
まってしまった。どうやら電気系のトラブルのようだ。
ティレル・フォードの2台はオイル警告灯が点滅したためピットに足止めされ
た。原因は落葉がラジエターの口を塞いでしまったためのようだ。
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