1998 F1 World Champion Ship
Round1 Australia Grand Prix
1st Free Practice Session Report
- シューマッハ、トップタイム
オーストラリアGPのフリー走行第1日目が終了し、記念すべき1998年第
1日目のトップタイムはフェラーリのミハエル・シューマッハが記録した。
まだシャワーのような雨の影響で最悪の路面状況の中、セッションの中盤でフ
レッシュタイヤを装着したシューマッハは2位以下に約コンマ6秒もの差をつ
けるトップタイムをマークした。
一方、エディ・アーバインは、この日終始コンスタントな走りに徹し、17番
手のタイムに落ち着いた。アーバインも何度かフライングラップを敢行したが、
1度目は雨が邪魔をし、路面状態が回復した時には電気系のトラブルが発生し
てしまった。
- マクラーレン、午後は2番手
午前中のセッションで下馬評通りの速さを見せたマクラーレンだったが、午後
はハッキネンがコンマ3秒タイムを更新したものの、シューマッハにかわされ
て2番手に留まった。
一方、クルサードの方は、一番条件の良い時に走るチャンスを逸したため、
せっかくのニュータイヤでの走行もスピンを喫してしまい、午前中のタイムを
更新することはできなかった。
「タイムは関係ない。今日のタイムは猫の目のように目まぐるしく変わる天候
をそのまま反映したものだからね。今日、我々のマシンに起きたメカニカルト
ラブルは、ミカに油圧関係の小さなものが1つあっただけだ。勝負は明日。」
とロン・デニス監督は語った。
- ウィリアムズは天候待ちだったが…
他の多くのチームと同様にウィリアムズも天候に災いされてシャシー・セッ
ティングを煮詰めることができなかった。「ただの1度として同じ条件での周
回なんかないんだから、これでセットアップをやれというのが無理な話さ。」
とテクニカルディレクターのパトリック・ヘッドは語った。
午後のセッションでは、ジャック・ビルニューブが3番手、ハインツ・ハラル
ド・フレンツェンが10番手に留まった。
- ベネトンのブルツ、健闘
アレクサンダー・ブルツは、ダウンフォースを大きく減らしてセッションに臨
み、見事4番手のタイムをマークした。ジャンカルロ・フィジケラの方は、ド
ライの時にうまく周回することができず、20番手で初日を終えた。
- ラルフ・シューマッハもナイスな走り
「なかなかコンディションが良くなくて、ちゃんと走れたのはたった1ラップ
だけだったんだ。それだって別にアタックした訳じゃなかったから、この6番
手というポジションには嬉しい驚きだね。クルマにはこれといって大きなトラ
ブルもないし、もしも明日のセッションが終ってもこの位置にいられたなら、
ハッピーだね。」と語るジョーダン・無限ホンダのラルフ・シューマッハには
喜びが溢れていた。
対するチームメイトのデイモン・ヒルは、2度のスピンに加え、チームメイト
からは1.3秒も遅れてしまい、不本意な13番手となった。
- その他
ザウバーのジョニー・ハーバートは、チームメイトのジャン・アレジを上回る
7番手のタイムをマークしたものの、ストレートですらクルマは扱いにくいよ
うで、しきりに『恐い!』とこぼしていた。
アレジはスターターにトラブルが出てしまい、わずかに9ラップしかできな
かった。しかし、チームはその原因がカムシャフト後部のセンサーにあること
を見つけ出すことができた。
スチュワートのルーベンス・バリチェロは午前中のセッションでは油圧系にト
ラブルがあって出遅れたが、最終的には12番手のタイムをマークした。
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