1998 F1 World Champion Ship
Round10 Austria Grand Prix
Qualifying Session Report
- フィジケラ、初ポール獲得
予選セッション開始直前に降った強い雨で濡れた路面は、セッションが進むに
つれて乾き始め、セッション終了直前の数分間にスリリングなバトルをもたら
すこととなった。セッション終了間際の最終ラップでトップタイムを叩き出し
たのは、ジャンカルロ・フィジケラ。この若きイタリアンは、彼自身初のポー
ルポジションに輝くと同時に、ベネトンに去年のドイツGP以来のポールポジ
ションをもたらした。「路面コンディションは非常に難しく、2回もスピンし
てしまった。しかし、最後のアタックでは別のソフト・ウェットタイヤを履い
て、チェッカー直前に1周を走り切ったんだ」とフィジケラはコメントしてい
た。
- アレジ、ザウバーに過去最高のグリッドをプレゼント
ジャン・アレジもまた、路面が乾いて良好な状態になった最後のアタックでタ
イヤ交換を決め、ザウバーチーム過去最高の成績となる2番手グリッドをもぎ
取った。
一方、ジョニー・ハーバートは18番手に沈んでしまった。これは、チームの
指示に従ってチームメイトのアレジを先に行かせたが、この間にタイヤが冷え
てしまい、最後のアタックチャンスを逃してしまったためである。
- ミハエル・シューマッハ、最後のアタックに間に合わず
ミハエル・シューマッハは、4番手グリッドに甘んじてしまった。彼は、イン
ターミディエイトタイヤへの交換に手間取ったためにコースに出るのが遅れ、
チェッカーフラッグが振られる前にコントロールラインを通過できず、最後の
アタックを断念した。「マシンのセットアップを変更していて、絶好の最終
ラップを諦めることになってしまったんだ」とシューマッハは語った。
エディ・アーバインもインターミディエイト・タイヤでの最後のアタックを断
念。ウェットタイヤのまま9周を走行したに留まり、8番手で予選を終えた。
- バリチェロ、決勝に期待を膨らませる
スチュワートのルーベンス・バリチェロは、5番手グリッドを獲得し、明日の
決勝レースへの期待を膨らませることになった。バリチェロも最後のアタック
でタイヤ交換したことが好タイムにつながった。
一方、チームメイトのヨス・フェルスタッペンは最後のアタックができないま
ま予選セッションを終了してしまい、12番手に終った。
- その他
アロウズのミカ・サロ葉、うまいタイミングでアタックを敢行し、6番手に付
けた。チームメイトのペドロ・ディニスは、セッション序盤にスピンし、最後
のアタックではクリアラップが取れず、13番手に沈んだ。
ウィリアムズのハインツ・ハラルド・フレンツェンは、残り2分で最後のア
タックをすべくピットアウトしたが、間に合わず7番手に留まった。ジャック・
ビルニューブは、スピンを喫っしてスペアカーに乗り換えたが、終盤でのタイ
ヤ交換が遅れ、11番手となった。
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