1998 F1 World Champion Ship
Round12 Hungarian Grand Prix
1st-half Free Practice Session Report
- マクラーレン勢、ウェットでも速い
ハンガリーGP初日の午前のフリー走行は、前日の猛暑から一転してセッション
開始直前に激しいにわか雨に見舞われてしまったためにスリッピーなコースコン
ディションがさらに滑べりやすい状況となり、多くのドライバーを悩ますことと
なった。セッションが進むに連れて路面は徐々にドライになっていき、終ってみ
れば、マクラーレン・メルセデスの2台のマシンがセッション終了直前に1、2
番手のタイムをマークすることとなった。
セッション終了後のインタビューで、クルサードは「こんなコンディションでは
得るものはなかった。だけど、明日、明後日はまた暑くなるらしいからね。でも、
このセッションでは慎重さを優先していて、ハードプッシュしていないのに、こ
んなタイムがマークできるなんて驚きだね」と語った。
- 唯一、マクラーレンに追随するミハエル・シューマッハ
フェラーリのミハエル・シューマッハはウェット・コンディション下でもマシン
コントロールが抜群で、シケインで1度スピンしてコースを外れたものの、うま
く立て直してそのままコースに復帰。しかも、ピットに戻ることなく周回を重ね
た。最終的には、このセッションで3番手となるタイムをマークし、唯一マク
ラーレン勢に追随することとなった。
チームメイトのエディ・アーバインは5番手とまずまずの位置につけることと
なった。
- フィジケラ、4番手
ベネトンは、ウェット・コンディションでロング・ホールベース仕様のクルマ
のセットアップ調整に専念しながら、マシンのバランスや、シルバーストーン
のテストで使った改良型リア・サスペンションの調整を行なった。また、トレッ
ドが広くなったウェット・タイヤにマッチするようにブレーキの調整も行ない、
ブレーキ・ロック防止などに注意を払っていた。
そんな中、ジャンカルロ・フィジケラはこのセッションで4番手のタイムを
マーク。だが、セッション終盤にスピンを喫っしてしまった。また、アレキサ
ンダー・ブルツの方は、フィジケラに比べてトラブルが多く、このセッション
だけで4回もコースアウトしてしまった。幸い、マシンにダメージはなく、
セッション9番手のタイムをマークした。
- ヒル、6番手
ジョーダン無限ホンダのデイモン・ヒルも、このコース・コンディションでは
無理なことはしなかったようだが、このセッションで6番手となるタイムを叩
き出した。
一方、ラルフ・シューマッハの方はスピンを喫っしてしまい、タイヤバリアに
マシンをヒットし、左フロント・サスペンションにダメージを負わせてしまい、
マシンを止めることとなった。
- フレンツェン、ビルニューブの前に
ウィリアムズは、先週のヘレス・テストでクルマのセット・アップをさらに煮
詰めることができたこともあってか、ハインツ・ハラルド・フレンツェンは7
番手のタイムをマークした。しかし、彼が語ったところによれば、クルマはま
だ先週のテストのような手応えが感じられないとのこと。
ジャック・ビルニューブの方は10番手となった。こちらはセッション終了間
際にタイヤをインターミディエイトに交換してコースに出たが、その時はすで
にコース上でチェッカーが振られていたため、最初の区間タイムこそコンマ数
秒速かったものの、結局ラップタイムとしては認められなかった。
- その他
スチュワート・フォードのルーベンス・バリチェロは、ギアボックスのベアリ
ング・トラブルのため僅か5周しかできず、コースの脇にマシンを止めた。
ザウバー・ペトロナスのジョニー・ハーバートは、エキゾースト割れのため
セッション中の修理が必要となってしまった。そのため、セッション終了間際
に1周周回するのが精一杯だった。また、ジャン・アレジの方もクルマの調子
が良くなく、チームはドライ・コンディション優先の調整に賭けることとなっ
た。
Copyright (c) Masatsune Wake (1998), wake@yk.rim.or.jp