1998 F1 World Champion Ship
Round12 Hungarian Grand Prix
1st Free Practice Session Report
- クルサード、初日のトップを奪取
マクラーレン・メルセデスのデビッド・クルサードは、ハンガリーGP1日目
午後のフリー走行で、チームメイトのミカ・ハッキネンを押え、トップに立っ
た。クルサードは最初に1分20秒の壁を破ったドライバーとなったが、昨年
フェラーリのミハエル・シューマッハが記録したポールタイムとはまだ5秒以
上の差がある。
ミカ・ハッキネンは、最後のアタックラップで前半をクルサードを上回るペー
スで走ったが、遅いマシンに邪魔されてタイムアップはならなかった。
- シューマッハ、3番手
午後はコースがドライになり、それに伴ってタイムも上昇したが、フェラーリ
のミハエル・シューマッハも着実にタイムを刻み3番手を確保した。それでも
マクラーレン勢からはコンマ5秒の差を付けられている。
チームメイトのエディ・アーバインは、シューマッハよりもコンマ3秒遅いだ
けのタイムで5番手を確保した。しかし、彼のマシンはバンプを乗り越える時、
特にブレーキング時のドライビングが非常に厳しいと訴えている。
- ウィリアムズのビルニューブ、速し
ウィリアムズのジャック・ビルニューブは、セッション序盤にコースアウトし
てダート走行したものの、ミハエル・シューマッハより僅かにコンマ2〜3秒
ほど遅いだけのタイムで4番手を確保した。彼は、サーキットの後半セクター
では最速タイムをマークしており、明日の予選でも良いタイムをマークできる
と確信している。
ハインツ・ハラルド・フレンツェンは、このセッションでビルニューブよりも
10周も多く走行したが、9番手のタイムをマークするに留まった。フレン
ツェンは先週のヘレスでのテストでは好タイムをマークしていたが、ここでは
再びハンドリングに不満を訴えている。
- ヒル、以前として快調
ジョーダン無限ホンダのデイモン・ヒルはこのセッションで6番手のタイムを
マークした。しかしながら、まだマシンバランスが決まってない状態のようで、
明日の予選ではさらに上位進出を目指している。
一方、ラルフ・シューマッハは、グリップ不足とアンダーステアに悩まされて
いる。このセッションでもランオフエリアを突っ走り、8番手に留まった。ラ
ルフは、明日の予選で路面にラバーグリップが付くことを期待しているようだ。
- その他
ザウバー・ペトロナスのジャン・アレジはブレーキ温度が上がらない問題と、
グリップ不足に悩まされ13番手。ジョニー・ハーバートは、オーバーステア
とエンジン制御ソフトウェアの問題でシフトダウンの際に自動的に発生する
「ブリップ」(回転数を上げる仕組み)不足の解消に取り組んでいる。
プロストは、ヤルノ・トゥルーリがグラベルに突っ込んでストップし、オリビ
エ・パニスが1人でセットアップを担当することになってしまったために、
今日予定していたプログラムを終えることができなかった。
ベネトンはレース用のセットアップに専念。アレキサンダー・ブルツは、
ショックアブソーバーが原因と思われるアンダーステアに悩まされている。
ジャンカルロ・フィジケラは、新しいロングホイールベースのマシンの方が好
みであると語っていた。
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