1998 F1 World Champion Ship
Round12 Hungarian Grand Prix
Qualifying Session Report
- ハッキネン、今季8回目のポールポジション
マクラーレン・メルセデスのミカ・ハッキネンは、今季8回目のポールポジ
ションを獲得。僅差で2位につけたデビッド・クルサードと共に、今季8度
目のマクラーレンのフロントロー独占を果たした。
「レコードラインを外れると路面がひどく汚れていて追い越しが大変なこの
コースでは、ポールを取ることがすごく大切なんだ。」とハッキネンはコメ
ントしている。彼は、セットアップを変更した最後のアタックでは、もう少
し速いタイムを出せると考えていたようだが、セッション終盤に吹き荒れて
いた強風のせいでマシンのハンドリングが不安定になってしまったようだ。
最後のタイムアタックのピットアウトが遅れてしまったために、チームメイ
トのタイムを破るのに失敗したデビッド・クルサードは、レースの間に何か
トラブルが発生しない限りはハッキネンの前に出ることができないと予想し
ている。
- ミハエル・シューマッハ、大差の3位も余裕あり
フェラーリのミハエル・シューマッハは、ハッキネンから半秒遅れの3位に
終ったが、彼もチームも、レースではマクラーレンを追い詰めるための準備
は整っているとしている。シューマッハは、グッドイヤーのハードタイヤを
選択しているが、スピードでは追い付けないチャンピオン争いのライバルに、
レース戦略で挑もうとしている。
エディ・アーバインは、チームメイトに近いグリッドを得て、レース中に最
高のサポートができるようにとソフトタイヤを選択、5番手グリッドを確保
した。彼のマシンは、バンプを乗り越える時の挙動が改善されたが、それで
も体力的には非常にきついレースになるだろうと話している。
- ヒル、4番手
ジョーダン無限ホンダのデイモン・ヒルは、予選でも4番手を保持した。彼
はソフトタイヤを選んだが、明日のレースで気温が高くなると、このタイヤ
選択が問題になりそうだ。しかし、ヒルはチーム全体がここまで前進したこ
とで安心しているようだ。
一方、ラルフ・シューマッハは以前としてグリップ不足に悩まされている。
彼は予選をハードタイヤで走る決定を下したが、なおもグリップとハンドリ
ングの不調が収まらない様子である。
- ウィリアムズ、6番手、7番手
ウィリアムズチームは、ジャック・ビルニューブがアーバインの後ろにつけ
る6番手。ハインツ・ハラルド・フレンツェンがコンマ7秒遅れの7番手
だったことに落胆の色は隠せない。おまけにフレンツェンは、ひどい胃痙攣
と嘔吐に悩まされており、明日のレースにも不安が残る。
ビルニューブは、最後のアタックではマシンも快調だったが、タイヤの使い
方がうまく行かなかった。フレンツェンは、長く暑いレースになると彼自身
の体力の問題から、ベストなレースができるかどうかが心配なところ。
- その他
ベネトンのジャンカルロ・フィジケラは、8番手グリッドに渋い表情。彼は
1回目のアタックでコースアウトしてしまったが何とかコースに戻ることが
できた。レースではハードタイヤを使用することになっており、上位進出を
狙っている。一方のアレキサンダー・ブルツは、マシンのハンドリングが改
善され満足している。しかし、最後のアタックではトラフィックに邪魔され
てしまい9番手に留まった。
ザウバーのジャン・アレジはダウンフォース不足を訴えている。ジョニー・
ハーバートは1回目のアタックでマシンをスピンさせてしまい、セッション
終盤にアタックするチャンスを失ってしまった。
Copyright (c) Masatsune Wake (1998), wake@yk.rim.or.jp