1998 F1 World Champion Ship
Round14 Italian Grand Prix
1st-half Free Practice Session Report
- フェラーリ、トップタイム
イタリアグランプリ初日午前中のフリー走行が終了した時点で、地元フェ
ラーリの両ドライバーがタイムシートのトップと2番手に名を連ねた。ミ
ハエル・シューマッハのクルマはブレーキに問題があり僅か7周の走行だっ
たが、それでもこのセッションでトップタイムをマーク。また、エディ・
アーバインの方は13周走行し、シューマッハと殆んど変わらないタイム
で2番手につけた。
なお、アーバインは従来のタイプとは異なったリアウィングを幾つかトラ
イした。そのうちの1つはかなりダウンフォースが増すようになっている
とのことだ。さらに、両ドライバーのマシンにはモンツァ用のフロントウィ
ングが装着されているとのことだ。
- マクラーレン勢、フェラーリに続く
マクラーレン・メルセデスの2台はデビッド・クルサードがシューマッハ
からコンマ5秒遅れの3番手、またミカ・ハッキネンの方はシューマッハ
から約1秒遅れの4番手だった。
ハッキネンはフロントブレーキがロックしてしまうことが多く、最初のシ
ケインのブレーキングが思うようにいかなかったようだ。チームはコース
にラバーグリップが増すことを期待しており、ブリヂストンが今回のレー
ス用に持ち込んだ新しいリアタイヤを考慮したクルマの微調整を行なった
ようだ。
- ウィリアムズも順調
ウィリアムズ・メカクロームの2台は、このセッションでハインツ・ハラ
ルド・フレンツェンが5番手、ジャック・ビルニューブが6番手と順調な
スタートとなった。フレンツェンのタイムは、マクラーレンのハッキネン
と殆んど変わらないタイムで、ビルニューブの方もフレンツェンからコン
マ2秒しかはなれてない。
フレンツェンはリアブレーキのディスクがおかしかったようで、クルマの
後方からバイブレーションが発生したようだ。さらに、気温の変化でコー
スコンディションも変わってきたが、セットアップがうまくできなかった
とコメントした。一方ビルニューブの方は、通常のセットアップを修正し
てセッティングを変更したようだ。
- ヒル、スロースタートか
ベルギーグランプリのウィナー、ジョーダン無限ホンダのデイモン・ヒル
は、縁石に乗り上げて電気系統のトラブルを引き起こし、コース上でストッ
プしてしまった。そのため、このセッションでは7番手に甘んじた。しか
し、彼はクルマのハンドリングの状態に満足しており、ここモンツァでも
コンペティティブでいられると張り切っている。
チームメイトのラルフ・シューマッハは11番手。彼のクルマは、レズモ、
パラボリカ、アスカリの各コーナー手前のブレーキングでクルマの挙動が
不安定になり、アンダーステアもかなりひどいようだ。
なお、チームは今回から無限ホンダの新しいエンジン投入のためにリアの
ボディワークパネルを改良した。無限ホンダの新スペックエンジンは予選
で使用する予定になっている。
- その他
ベネトン・プレイライフの2台はブレーキの問題を抱えている。ジャンカ
ルロ・フィジケラは8番手のタイムをマークしたものの、一瞬ヒヤリとす
るスピンを演じた。また、両ドライバーともにブリヂストンの新しいリア
タイヤのためのセットアップを念入りに行なっていた。
プロスト・プジョーのオリビエ・パニスは油圧系統のトラブルでコースイ
ンが遅れてしまった。ヤルノ・トゥルーリはクルマのハンドリング不調を
訴えていた。
ティレルは今回から新しいブレーキ素材を使っているが、あまり良い感触
は得られていない様子。そのためか、両ドライバともスピンしている。
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