1998 F1 World Champion Ship
Round3 Argentine Grand Prix
1st Half Free Practice Session Report
- フェラーリのシューマッハ、最速ラップを記録
フェラーリのミハエル・シューマッハは、アルゼンチンGPの1回目のフリー
走行でトップタイムを記録した。シューマッハは、先週バルセロナでテストし
たハイ・ダウンフォース仕様のリアウィングを装着したF300に乗り、基本
セットアップに専念していた。
「路面がひどく汚れていてツルツルだった。そのせいでセットアップの適正な
チューニングを始めるのは難しい状態だった。」とシューマッハはコメントし
た。なお、シューマッハは他のグッドイヤーユーザと同様に新しい幅広のフロ
ントタイヤを装着して走行していたが、「ワイドタイヤは1種類しかコンパウ
ンド選択できないので、フリー走行の間に異なるタイヤを試すわけにはいかな
いんだ。」と説明していた。
エディ・アーバインは4番手のタイムを記録しているが、2人ともフリー走行
ではスタンダードの047エンジンを使用している。しかし予選と決勝ではハ
イレブ仕様の047エンジンを使用すると見られている。
- マクラーレン勢、無理せず上位を獲得
デビッド・クルサードとミカ・ハッキネンの2人は、今朝は路面が汚れていた
ために、多くの周回を走ることはしなかった。チームの広報担当によれば、
「我々はコースがどうなっているかをチェックするために数周走っただけ」と
のことで、路面状況が改善されるまではハードアタックは行なわない予定のよ
うだ。
チーム全体がリラックスした状況ながら、クルサードは2番手、ハッキネンは
8番手のタイム。2人ともわずか8ラップ走っただけである。
- ビルニューブ、3番手のタイムをマークするも、コースアウト
ウィリアムズのジャック・ビルニューブは、このセッションで3番手のタイム
を記録したものの、スピンしてグラベルに突っ込んでしまい、セッション終了
までコースサイドのガードレールの上で過ごすこととなった。
ハインツ・ハラルド・フレンツェンは、ウィリアムズのマシンに装着された新
しいフロント・サスペンションのセットアップをこなし、5番手のタイムを
マークした。
- その他
ジョーダンの2台は、ティレルが昨年発明したXウィングをコクピットの両側
に装着し、ティレル、ザウバー、プロスト同様に最新トレンドを追うことに
なった。
ザウバーは、ジャン・アレジがピットアウトしたばかりでスロー走行中のジョ
ニー・ハーバートのマシンに突っ込んでしまうという最悪のスタートとなった。
この事故でハーバートはコースアウトし、フロントウィングとアンダートレイ、
サイドポッドを壊してしまった。アレジはステアリングが壊れたためにストッ
プ。レースカーのエンジンが壊れたため、ガレージでウォームアップされてい
たスペアカーを使用することになった。
スチュワートのバリチェロはリアタイヤがパンク。チームメイトのマグヌッセ
ンはフロントロールバーが壊れ、修理に時間がかかってしまった。なお、今回
からスチュワートでは新しいフェイズ3のフォードエンジンを使用している。
オリビエ・パニスはギアボックスを制御する電気系のトラブルで6周しか走行
できなかった。
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