1998 F1 World Champion Ship
Round4 San Marino Grand Prix
1st Half Free Practice Session Report
- ミハエル・シューマッハ、ウィリアムズ、マクラーレンに迫る
サンマリノGP初日の午前のフリー走行は晴天の下でスタートしたが、フェラー
リのミハエル・シューマッハとエディ・アーバインは、マクラーレンとウィリア
ムズのパフォーマンスに太刀打ちすべく、精力的に周回を重ねた。
アーバインのマシンには、初めて実戦投入となったミドルウィングが装着された
が、彼はターン6でスピンアウトしてしまい、グラベルに捕まってエンジンをス
トールさせてしまった。シューマッハも同じ場所でスピンを喫っしたが、こちら
はかろうじてコースに復帰することができた。
シューマッハはこのセッションで5番手のタイムをマークし、アーバインは9番
手となった。ただ、シューマッハのベストタイムはトップのミカ・ハッキネンか
ら2秒以上も離されており、明らかに出遅れた格好となっている。
- やはりマクラーレン強し
ここイモラでも、マクラーレンのミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードの優
位は変わらない。ハッキネンは2番手のクルサードよりコンマ1秒速いタイムを
マークしたが、3番手、4番手のウィリアムズのジャック・ビルニューブとハイ
ンツ・ハラルド・フレンツェンには1秒半の大差を付けた。先週のテストウィー
クが雨に崇られたことで、チームは今回のレース用の対策が十分に取れていな
かったようだ。それでも、イモラに向けてエアロダイナミクスのマイナー・チェ
ンジを行なってきたようだ。
- ビルニューブ、「マシンは思ったほどじゃない」
ウィリアムズのジャック・ビルニューブはこのセッションでラインを外したり、
コースアウトするなど暴れ回る走りを見せたが、彼曰く、マシンは「思ったほど
じゃない」ようだ。グッドイヤー勢のトップタイムをマークしてはいるが、ハン
ドリングはそこそこで、午後に向けてどれだけ微調整を行なえるかがタイムアッ
プのポイントになりそうだ。
ハインツ・ハラルド・フレンツェンは4番手のタイムをマーク。チームのエンジ
ニア、ジェイムズ・ロビンソンによれば、先のヘレスでの4日間のテストで、
セッティングがベストな方向に近付いたと判断しているようだ。
- フィジケラ、ジャンプアップを狙う
ベネトンのジャンカルロ・フィジケラは、母国のグランプリで初日から6番手と
まずまずのスタートを切った。彼はグランプリ直前の火曜日の晩に交通事故に見
舞われ、その影響が心配されていたが、幸いにも彼自身には怪我もなく、GPへ
の影響もないようだ。
一方、アレキサンダー・ブルツの方は、セッティングが決まらず13番手に甘ん
じた。
- その他
ティレルのリカルド・ロセットは電気系統のトラブルでコース上にストップし、
たった4周しか走れなかった。
ジョーダンの2台のマシンのパフォーマンスから、先週のシルバーストーンでの
テストが実り多きものであったことが理解できる。ただし、ラルフ・シューマッ
ハのマシンには油圧系統のオイル洩れが発生し、コースインが遅れ17番手に
沈んだ。
アロウズのミカ・サロとスチュワートのルーベンス・バリチェロは共にギア・
ボックストラブルが発生し、思い通りの走行ができなかった。
ザウバーのジャン・アレジは、アンダーステアが解消できず不満の残る結果と
なった。
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