1998 F1 World Champion Ship
Round5 Spain Grand Prix
1st Half Free Practice Session Report
- 初日からマクラーレンが主導権を握る
マクラーレンメルセデスの2台は、先週このカタロニア・サーキットで行なわれ
た合同テストでも常にタイムシートの上位に位置していたが、このスペインGP
初日最初のセッションでも、ミカ・ハッキネンがトップ、デビッド・クルサード
が2番手となり、相変わらずマクラーレンが主導権を握っている。
このセッションでマクラーレンは1分22秒台に入っているのに対し、3番手の
ジャン・アレジ以下のライバル勢は1分24秒台のタイムしか出ていない。セッ
ションが進むに連れてタイムは上がってくると思われるが、ライバル勢は苦戦を
強いられることは間違いない。
- アレジ3番手となるも、クラッシュ
ザウバーのジャン・アレジはクルマのバランスが決まって好タイムをマークした
が、1回目のタイムアタックの後でコースアウトしてしまい、フロント・サスペ
ンションとホイールにダメージを負ってしまった。彼はこのセッションで4周し
か走行できなかったものの、マクラーレンの2台に次ぐ3番手となった。
一方、ジョニー・ハーバートの方は17周を走ったものの、アレジよりコンマ3
秒遅い7番手となった。
- パニス、御満悦
プロストのオリビエ・パニスもクルマのバランスがビシッと決まって御満悦で、
このセッション4番手のタイムをマークした。パニスもアレジ同様にコースアウ
トしたが、マシンには大きなダメージはなかった。
- ベネトン、新サスペンションを投入
ベネトン勢は、このレースから新しいサスペンションのジオメトリーを採用した
こともあり、最初からセッティングのやり直しとなってしまった。しかし、アレ
キサンダー・ブルツは5番手のタイムをマークし、上々の滑べりだしとなった。
- フェラーリ、ハイエクゾーストを採用し空力を強化
フェラーリは、通称「展望鏡」と呼ばれるハイエクゾーストシステムを搭載した
マシンで走行した。このマシンはそれ以外にもディフューザー周辺の空力も改善
されており、トータルの空力性能が向上している。
しかし、シューマッハには油圧系のトラブルが発生し、僅か3周のみの走行と
なった。アーバインの方はノートラブルで11番手のタイムをマークした。
- ウィリアムズ勢、後方に沈む
ウィリアムズは、前回のサンマリノGP以降、クルマに僅かながらも変更を加え
ていたが、フレンツェンは6番手、ビルニューブは15番手と大きく出遅れる結
果となった。
ただし、ビルニューブのマシンはオイル漏れのトラブルが発生し、あまり周回を
重ねることはできなかった。
- その他
スチュワートもフロントサスペンションをモディファイしてきたが、このセッ
ションではその成果を示すことはできず、2台ともタイムシートの一番下に位置
することとなった。
アロウズの2台は先週の合同テストに参加できなかったこともあって、ディニス
が18番手、サロはスピンしてグラベルに捕まってしまい、19番手に終った。
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