1998 F1 World Champion Ship
Round5 Spain Grand Prix
1st Free Practice Session Report
- フェラーリ、マクラーレンに接近
午後のセッションになって、2台のフェラーリはマクラーレンメルセデスとの差
を詰めてきた。特に、エディ・アーバインはミハエル・シューマッハをコンマ1
秒上回るタイムをマークした。これでトップとの差は1秒ちょっととなったが、
フェラーリのドライバーたちは3位が限界だと認めているようだ。
アーバインはタイムこそ上がったものの、ハンドリングとブレーキに問題を抱え
ているようで、不満を漏らしていた。
- ハッキネンとクルサード、セットアップを試す
午前中のセッションで1、2番手となったマクラーレンの2人のドライバーは、
午前中のマシンパフォーマンスに満足しながらも、午後には異なるセットアップ
を試してみたり、燃料搭載量を変更して走行していたため、午前中のタイムを上
回ることはなかった。
- ハーバート、3位へ
ザウバーのジョニー・ハーバートは、セッション後半にフレッシュタイヤを装着
し、見事に3位のタイムをマークした。タイムこそ出たものの、クルマが好みよ
りオーバーステアだったため、ハーバートはバランス的には満足できないと語っ
ていた。
ジャン・アレジは、午前中に起こしたアクシデントでモノコックも痛めていたこ
とが判明し、現場での修理は不可能となってしまった。そのため午後は走行でき
なかった。
- ウィリアムズ、苦戦
ウィリアムズのジャック・ビルニューブは、午後に入って8位までタイムを上げ
てきたが、6位に浮上したフレンツェン共々、クルマの全体的なハンドリングに
不満を漏らしていた。クルマにはイモラの時と同様に、バランスの予測できない
問題が残っているようだ。
- バリチェロ、好事魔多し
スチュワートのルーベンス・バリチェロは、7位のタイムを出して好調だったが、
左右のコーナーリングでクルマのハンドリングが変わってしまう症状が出てしま
い、マシンに不満を漏らしていた。最後のアタックに出よう、ピットから加速し
たところでエンジンが故障。ピットレーン出口にマシンを止めた。
チームメイトのマグヌッセンは、セッション前半にスピンを喫っし、グラベルに
突っ込んでしまった。
- その他
プロストのパニスとティレルのロセットは、グラベルにマシンを止めてしまい、
そのままフリー走行を終了した。パニス曰く、スピンするロセットを避けようと
してスピン・オフしたようだ。
ベネトン勢は共にスピンを喫っしてしまった。両ドライバー共にリアエンドのグ
リップに難ありとコメントしている。ブルツの方は、フリー走行の間ずっとバイ
ブレーションがあったともコメントしている。
ジョーダンのラルフ・シューマッハとデーモン・ヒルは13位、14位に終った
が、このセッションでは使い古しのタイヤに燃料を多めに積んでいたためのよう
だ。
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