1998 F1 World Champion Ship
Round5 Spain Grand Prix
Qualifying Session Report
- シューマッハ、マクラーレンを追撃
フェラーリのミハエル・シューマッハは、今回の予選でもマクラーレンに最も
近付いた男となった。シューマッハは、ポールポジションとのタイム差が
1.5秒も開いてしまってはこの順位が精一杯と考え、3位になったことに満
足している。「確かにここではブリヂストンタイヤの方がずっと有利だけど、
タイヤだけの問題じゃない。シーズン当初からうちもずいぶんマシンを改良し
てきたけど、まだやるべきことはある。マクラーレンに追い付くためには70%
はタイヤ、30%は僕らが努力しなくちゃいけない」とシューマッハは語っ
た。
チームメイトのエディ・アーバインも6番手に食い込んだ。「こんなものだと
思ったよ。マシンは今日の方がずっと良いから、まずまずだね。満足している。」
と語った。
- またしてもマクラーレン同士の争いか
今回の予選もマクラーレン同士の争いとなった。今回はミカ・ハッキネンが
チームメイトのデビッド・クルサードにコンマ7秒の差をつけ、今季3度目の
ポールポジションを獲得した。
クルサードは「これといった問題はなかったけど、ミカのようなラップを叩き
出すにはちょっとマシンに自信がなかった。コーナーに切り込んだらマシンは
どうなるだろうとか考えてしまうんだ」とコメントした。
- ベネトン、明日に期待
ベネトンのジャンカルロ・フィジケラはわずかコンマ1秒の差で3位のポジ
ションに手が届かず、4位となった。「4位になれて嬉しい。最近アクシデン
トが続いたせいで、集中力が心配だったけど、大丈夫。金曜日からシャシーは
ずいぶん良くなったから、あとは良いレースをしたいね」とフィジケラは語っ
た。
一方、アレキサンダー・ブルツの方もフィジケラにコンマ1秒遅れる5位と
なった。
- ハーバート、賭けに出る
ザウバーのジョニー・ハーバートは、予選とレース用にソフト・タイヤを選択
するという賭けに出た。明日の決勝で予報通り路面温度が低くなれば、彼の
ギャンブルは成功する。ハーバートは7番手のタイムを出した後、タイヤを温
存するためにそれ以上のタイムアタックを止めた。明日のレースで路面温度が
上昇すれば4回のピットストップもあり得るためだ。
ジャン・アレジは固めのタイヤを選択したが、14位に沈んだ。今シーズンの
ザウバーのパフォーマンスに満足出ていない様子だった。
- その他
スチュワートのルーベンス・バリチェロは、新しいフェーズ4のフォードエン
ジンを得て、9番手のタイムをマーク。見事トップ10入りを果たした。マグ
ヌッセンの方は、フェーズ3のエンジンであったことと、フロントサスペンショ
ンに新型のものを装着していなかったこともあり、18番手に沈んだ。
ウィリアムズにとっては今日は災難の1日となった。ジャック・ビルニューブ
はオーバーステアに苦しみ10位がやっと。しかも、壁に激突し、左フロント
サスペンションとボディにダメージを負い、セッションを終えた。フレンツェ
ンは13位だが、ハンドリングの不調を訴えている。
ティレルのリカルド・ロセットは、ポールポジションタイムの7%以内に入れ
ず、今季初めての予選落ちとなった。高木虎之介は2回のスピンを喫っしなが
らも、最後尾で予選通過となった。
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