1998 F1 World Champion Ship
Round6 Monaco Grand Prix
1st Half Free Practice Session Report
- ミハエル・シューマッハ、トップ
ミハエル・シューマッハは、マシン性能よりもドライバーの力量が問われるモ
ナコ市街地サーキットで本領を発揮し、初日午前中のフリー走行からタイム
シートのトップに躍り出た。
「まだセッティングを煮詰める必要があるし、路面状況が刻々と変化するので
楽観視はできないよ。」とシューマッハは語った。事実、彼のマシンには若干
のオイル洩れのトラブルが発生していた。
一方のエディ・アーバインの方は、シューマッハから遅れること約4秒の11
番手とやや精彩を欠いた。ただ、アーバインは燃料をかなり積み込んで走行し
ていたとの情報もある。
- マクラーレン、モナコは鬼門か
マクラーレン・メルセデスは、このモナコでフェラーリから強烈なプレッシャー
を浴びせられている。今シーズンのマクラーレンのクルマは、高速サーキット
では強いものの、モナコのようなスローなストリートコースではさほどのアド
バンテージがないように見受けられ、しかもドライバーの力量が大きなポイン
トとなるこのコースではかなり苦戦することが予想される。
ミカ・ハッキネンは2番手のタイムをマークし、フェラーリのミハエル・シュー
マッハからコンマ17秒差に付けた。デビッド・クルサードの方は、シュー
マッハから約2秒遅れの4番手のタイムをマークした。ただ、クルサードは、
サン・デボーテを曲がり切れず直進してしまうハプニングもあった。
マクラーレンの2台のマシンは、このセッションをトラブルフリーで走ったが、
フロントタイヤのグリップが少ないためか、アンダーステアがかなりひどい状
態になっているようだ。
- ウィリアムズ、ようやく本領発揮か
昨年のモナコGPのポールシッターである、ウィリアムズのハインツ・ハラル
ド・フレンツェンは、ようやく本領を発揮し始めた。フレンツェンは「ここで
はウチが抱えてきた高速コーナーでのマシンの問題点が出ないからね。予選で
いいポジションがゲットできれば、結構いいレースができると思うよ。」とコ
メントしていた。
今回からウィリアムズの2台のクルマにはグッドイヤーの最新スペックのリア
タイヤを装着していたが、アンダーステアの症状が発生しており、乗り心地は
決して良くないようだ。
- ハーバート、快調
ザウバーのジョニー・ハーバートは、セッション開始時にはかなり酷いアンダー
ステアに悩まされていたが、セッション終盤には、フレッシュタイヤで5番手
のポジションをゲットするまでになった。
ジャン・アレジの方もアンダーステアが酷かったが、このセッションではフ
レッシュタイヤは使用せず、15番手に留まった。
- ベネトン、2台ともトップ10入り
ベネトンのジャンカルロ・フィジケラは、6番手のタイムをマーク。ただし、
新しいリアサスペンションのセットアップを採用しているが、強烈なアンダー
ステアに見舞われてしまっている。アレキサンダー・ブルツの方も同様の症状
に悩まされており、こちらは9番手のタイムをマークするに留まった。
- その他
ジョーダンのデイモン・ヒルは、プールサイドでマシンをウォールにヒットし
てしまい、ノーズとフロントサスペンションにダメージを負ってしまった。ラ
ルフ・シューマッハは18番手と振るわず。ラルフはタイヤ選択を誤ったため
だとコメントしている。
F1ではモナコ初登場となる高木虎之介は、ローズヘアピンでマシンを軽くバ
リアに当ててしまい、マイナーダメージを与えてしまった。
ミナルディの中野信治はブレーキトラブルが発生。エスティバン・トゥエロに
はギアボックストラブルが発生。双方とも満足な周回ができなかった。
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