1998 F1 World Champion Ship
Round6 Monaco Grand Prix
Qualifying Session Report
- シューマッハ、なんとか4番手に滑り込む
午前中のフリー走行ではトランスミッションに問題が出てしまい、全く走行で
きなかった。そのため、予選にはスペアカーで臨むことになったが、見事に4
番手のタイムをたたき出した。「午前中に全く走れなかったことを考えると、
4位を取れて良かったと考えるべきだろうね。だけど、フロント・ロウだった
ら嬉しさもひとしおだったのに。ここじゃ、グリッド・ポジションがものをい
うからね。たけど、正直に言うと、今日はフィジケラは凌げたんじゃないかと
思うけど、マクラーレン勢はちょっとなぁ」とシューマッハはコメントした。
エディ・アーバインは、2回目の走行時に、ラスカスでレースカーをぶつけて
しまい、残りの2回のアタックは修理が終ったシューマッハのレースカーでの
走行となった。それでも、最終アタックでタイムをアップし、7番手となった。
- マクラーレン、またもフロント・ロウ独占
マクラーレン・メルセデスのミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードは、モ
ナコGPの決勝でも再びフロント・ロウを分け合うこととなった。ハッキネン
は3回目のアタックで1分20秒台を切ることに成功した。ハッキネンは、
「クリアラップを取るのが大問題だった。終了の1回前の走りで、担当のレー
スエンジニアが完璧に頃合いを見計らってくれたので、誰にも邪魔されること
なく完璧なアタックをすることができた。」とコメントした。
逆に、デビッド・クルサードの方は、最後までクリアラップを走ることができ
なかった。「ポールを取れなかったのはがっかりだけど、フロント・ロウなん
で満足している。」と語った。
- フィジケラ、3番手と健闘
ベネトンは、前後のサスペンションが新しくなって、グリップとトラクション
が向上した。ジャンカルロ・フィジケラはその勢いを駆って予選で大活躍する
こととなった。「クルマはバルセロナの時よりも格段に良くなっている。3位
になれて嬉しい。マクラーレンは無理としても、明日も3位になることを目指
す。」とフィジケラはコメントしていた。
アレキサンダー・ブルツは、依然としてマシンセッティングの迷路にはまり込
んでおり、正しいセットアップを見つけることができない状態になっている。
そのため、6番手のタイムをマークするのが精いっぱいだった。
- フレンツェン、3列目
「クルマはカナダ用の新しい改良が加えられるまではちっとも変わらない。せ
いぜいちょっとした改良を加えられるだけだ。」とは、5位で予選を通過した
フレンツェン。「モナコのようなコースだと、2列目からスタートできれば良
かったんだけど、今の状態ではこれが精いっぱいだよ」とコメントしていた。
チームメイトのジャック・ビルニューブは、フレンツェンからほぼ2秒の遅れ
を取ってしまい、7列目からのスタートとなってしまった。ビルニューブはク
リアラップにも恵まれず、ベストタイムをマークできそうだったラップは、
セッション終了数分前に、プールサイドでスピンしたリカルド・ロセットに
よって台無しにされてしまった。
- その他
午前中のフリー走行で3番手となったアロウズのミカ・サロは、結局8位に後
退した。サロは、最初のアタックでギアボックスに問題が生じ、ディニス用に
セットアップされたスペアカーで以降の予選に臨むことになってしまった。
ジョーダンの両ドライバーは、クルマのハンドリングは完璧だと言いながらも
8列目に終った。
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