1998 F1 World Champion Ship
Round7 Canada Grand Prix
1st Half Free Practice Session Report
- マクラーレン勢、今回も好調
マクラーレンメルセデスのミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードは、フリー
走行1日目の午前中のセッションで1番手と2番手のタイムを記録した。2人と
もこのセッションはトラブルフリーで走り切った。チームは、モナコグランプリ
でクルサードのリタイア原因となったエンジントラブルと、その後のモンツァの
テスト中に2回発生したトラブルの原因も突き止めたとしている。
- ザウバーのアレジ、3位
ザウバーペトロナスのジャン・アレジは、グッドイヤーのプライムタイヤとオプ
ションタイヤの両方で好タイムをマークし、3番手につけた。一方のジョニー・
ハーバートは、ブレーキトラブルが続き、セッション中にブレーキ系を全て交換
せざるをえなかった。このため十分な時間が取れず、タイヤ選択の判断はできな
かった。
- ウィリアムズの改良にフレンツェンは御満悦
ハインツ・ハラルド・フレンツェンとジャック・ビルニューブは、カナダ入りす
る前にモンツァでテストした改良版のウィリアムズFW20Bはトータルバラン
スが大幅に向上したと語った。FW20Bでは、空力面の改良、新しいデフュー
ザーとアンダーフロア、改良型のウィング支柱、ホイールベースの伸長などの
数々の改良が施されている。
フレンツェン4番手のタイムを出した後、「マシンは前より明らかによくなった。
安定感が遥かに増したし、大きな前進だと思う。」と語った。ジャック・ビル
ニューブは6番手となり、「とてもいいセッションの出足で、進歩があった。
セッション後半もこの調子でいきたいね」と語った。
- ジョーダンのヒルが5位
ジョーダン・無限ホンダのデーモン・ヒルは、ピットを通過した後の左カーブで
2回スピンしたものの5番手となり、低ダウンフォースのこのサーキットでのハ
ンドリングバランスに満足している様子である。ラルフ・シューマッハは低速
コーナーで若干のオーバーステアを訴えたが、全般的には満足している。
- フェラーリはセットアップに専念
フェラーリの2人のドライバーは、このセッションでは様々なセットアップを試
していた。シューマッハは、セッション序盤に1回スピンをしたものの、セッ
ションの大部分を満タンで走り、満足な結果を得たようだ。アーバインもトラブ
ルフリーの走行で11番手となった。
- パニス、好調
プロストプジョーのオリビエ・パニスは、昨年のカナダGPでのクラッシュで両
足を骨折したこのサーキットで、8番手と好調さをアピールした。トゥルーリの
方は19番手と後方に沈んだが、両者ともマシンのフィーリングには自信を持っ
ているようだ。
- ベネトンもレースセットアップに集中
ベネトン・プレイライフのジャンカルロ・フィジケラは10番手となった。この
セッションでは、レースセットアップを煮詰めており、本格的なアタックを行
なっていないためのようだ。一方、アレキサンダー・ブルツはブレーキトラブル
のために2回コースアウトし、20番手に終った。
- その他
スチュワート・フォードのルーベンス・バリチェロは改良されてロング・ホイー
ルベース化されたSF2に満足していた。
ミカ・サロは、重量バランスのチェックのためにピットインを繰り返し、ペド
ロ・ディニスはブレーキが思わしくなく、パッドとパドルを交換していた。
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