1998 F1 World Champion Ship
Round9 British Grand Prix
1st Free Practice Session Report
- またもマクラーレン対フェラーリ
イギリスGPの午前のフリー走行は、セッション終了間際まで2台のマクラーレ
ン・メルセデスとフェラーリのバトルとなったが、それでもやはりマクラーレン
の方が優位に立っており、ミカ・ハッキネンがトップタイムを、また、デビッド
・クルサードが2番手のタイムをマークし、3番手のミハエル・シューマッハを
一歩リードした形となった。
ただ、他の多くのチーム同様、マクラーレンも気温が低いとタイヤの状態が思わ
しくなく、セッション開始早々はグリップ不足に泣いていた。しかし、セッショ
ンが進むに連れてコンディションが良くなってくると、ハッキネンの方は徐々に
ペースを上げていった。一方のクルサードの方は、中速コーナーでオーバーステ
アの状態が酷く、おまけにピットレーンで速度違反をやってしまい、8000米
ドルのペナルティを受けてしまった。
- ミハエル・シューマッハ、コース状況好転を待ち望む
このセッションで3番手につけたフェラーリのミハエル・シューマッハは、コー
ス・コンディションが目まぐるしく変化して適切な状況が把握できなかったこと
もあって、ひたすら我慢の走りに徹した。
チームは、先週シルバーストーンでテストした高速サーキット用の新しいフロン
トウィングをまだトライしていないようだ。
一方、チームメイトのエディ・アーバインはコースに出てすぐにスピンアウトし
て、グラベルにスタックしてしまった。その後、2周ほど走ったもののタイム計
測までには至らなかった。
- ベネトン、上位をうかがう
ベネトン・プレイライフのジャンカルロ・フィジケラは、先週のテスト同様、こ
のセッションも好調で4番手のタイムをマークした。このグランプリでは、前回
のフランスからクルマに対して若干のエアロダイナミクスの変更とサスペンショ
ンのモディファイが加えられているようだ。
アレキサンダー・ブルツの方は、完成したばかりのシャシーを使っていることも
あって11番手とやや出遅れた。
- ビルニューブ、5番手
ウィリアムズ・メカクロームのジャック・ビルニューブは、このセッションで5
番手のタイムを記録。ウィリアムズのマシンもフランスグランプリからサイド・
ポッドを短くする変更を受けている。
また、ハインツ・ハラルド・フレンツェンも7番手につけている。しかし、こち
らはコーナーを曲がり切れずにグラベルを突っ切ってしまい、僅か9周しか走行
できなかった。
- ヒル、地元でハッスル
ジョーダン無限ホンダのデーモン・ヒルは、地元の声援に応えて6番手のタイム
をマークした。ただ、彼のクルマのバランスは気温が低い状態では今イチのよう
だ。
今回からウィリアムズ同様にサイド・ポッドを短くしたクルマを使用しているが、
ジョーダンではさらにアンダートレイの改善も行なわれているようだ。
- その他
アロウズのペドロ・ディニスとミカ・サロにはトラブルが発生した。サロはリ
ア・エンドが下がり気味でクルマが思うように走らず、ディニスには水漏れが
発生してしまった。
スチュワート・フォードのルーベンス・バリチェロは、ステアリングトラブル
のためたった4周しか走行できなかった。
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