1998テストレポート(チームリリース)
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テストレポート(1998年1月)
- ベネトンテストレポート(1998.1.29)
ベネトンは20日から24日までスペインのバルセロナでB198のテストを
行なった。
今回のテストにはジャンカルロ・フィジケラとアレクサンダー・ブルツの両ド
ライバーが参加しており、2人ともB198で初めてブリジストンタイヤを
チェックしたが、やはりブリジストンタイヤは優れた性能を持っているだけに、
彼らの第一印象も十分満足のいくものだったようだ。
またチームは、タイヤテストと並行してシャシーのセットアップを煮詰める作
業にもエネルギーを注ぎ、こちらもまずまずの結果を得られた模様。
ただ、ブルツのクルマには木曜日の午後にマイナートラブルが出たため、こち
らのマシンはこの日でテストを切り上げ、23日からは1台だけを走らせてい
た。
- ミナルディテストレポート(1998.1.29)
ミナルディは29日に再びイタリアのムジェロにおいてニューマシンM198
+フォードV10のパッケージでテストを行なった。
今回もテストを担当しているのはトゥエロ。この日はトータルで90周を走
行し、先週のテスト以来高まっていたニューマシンの信頼性の高さを改めて
強調することができた。この日のベストタイムは1分34秒431であった
が、ハードプッシュは一切行なっておらず、しかもこのタイムは午前中に
ハード・コンパウンドタイヤでマークしたものであった。今後、セッティング
が煮詰まれば、さらにタイムが向上することが期待されている。
- エスティバン・トゥエロ 談
クルマは堅実な走りをしているし、大きなトラブルも出ていない。それ
だけボクはクルマと早くコミュニケーションが取れていることになるわ
けだし、エンジニアとはセットアップを進めやすくなるってことさ。
- ジャン・カルロ・ミナルディ 談
エスティバンは一生懸命仕事をしているよ。おかげで、ちょっとはクル
マに自信を持ったのではないかな。彼はこれまでに900キロは走った
と思うが、おかげで、ドライバーとエンジニアにとって貴重なデータな
どが収集できた。この後のバルセロナでのテストに向けて大きなプラス
となっているよ。
- ガブリエーレ・ルミ 談
ここまでのテストについては満足している。来週はバルセロナで合同テ
ストが行なわれるが、そこでも我々のクルマのポテンシャルが高いこと
を証明できるような走りを見せたいね。テクニカルスタッフの連中も気
を抜かないで常にモチベーションを高めにして作業に当たるので、ドラ
イバーやマネージング・ディレクターの方から嬉しい報告が届くように
して欲しいね。
- ジョーダンテストレポート(1998.1.26)
ジョーダンの新車198は、21日(火)から24日(土)までバルセロナでテ
ストを行なった。
火曜から木曜までは、デイモン・ヒルがドライブし、トータルで95周し、
1分24秒90のベストタイムを出した。「運転席に戻れて実にいい気分だっ
たし、新車がまたいい感じなんだ!」とヒル。その後、ヒルは第4子の出産
を間近に控えた愛妻、ジョージーに付き添うために自宅に戻った。
代わってラルフ・シューマッハが最終日までテストを続けた。シューマッハ
は93周を走って1分23秒70のベストタイムを出した。「車に信頼性が
あったことには感心したけど、バランスがまだまだだね。」とシューマッハ。
最終日の午後にはテストドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサが初めてジョー
ダンに乗り込み、10周を走って1分28秒50のベストタイムを出した。
今回のテストについて、テクニカル・ディレクターのゲーリー・アンダーソ
ンは、「始めはこうこなくっちゃね。信頼性は十分だし、エンジンについて
も同様だ。3基のエンジンを走らせたが、それは、それぞれできっちり走っ
ておきたかっただけのこと。作業のほとんどはバランスとセットアップ、そ
れに一部、グッドイヤーのタイヤテストに費やされた。1週間を通じて大き
なトラブルがでなかった。ただ、デファレンシャルにちょっとした変更を加
える必要が生じたために、金曜日はラルフの走る時間がなくなってしまった。」
とコメントした。
- フェラーリテストレポート(1998.1.22-1.24)
フェラーリは22日から24日まで、スペインのヘレスサーキットでテスト
を行なった。
このテストの目的は、F300の熟成とグッドイヤーの98年用のタイヤテ
ストにあった。F300の方はシューマッハが、タイヤテストの方はアーバ
インが担当して行なわれた。
3日間のうち、23日は天候が崩れ、コースがウェットコンディションになっ
てしまったため、予定していたプログラムを全て消化することはできなかっ
た。
今回のテストでのベストタイムはシューマッハがF300を使用して1分24
秒434。アーバインがF310Bを使用して1分24秒636であった。
- ミナルディテストレポート(1998.1.21-1.23)
ミナルディは、21日(水)から23日(金)にかけてイタリアのムジェロサー
キットにおいて98年用マシンM198のシェイクダウンテストを行なった。
今回のシェイクダウンテストには、パワーユニットとしてフォードV8エンジ
ンが使用されており、ゼテックRではなかった。
このテストはE.トゥエロが担当しているが、21日は気温が非常に低く、エ
ンジンを十分回せるような環境ではなかった。また、ミナルディのシャシーと
コスワースのゼテックエンジンとの相性の問題が懸念されたが、M198に最
初の微調整を加える段階からこの心配は不要であった。
ドライバーのトゥエロは、テストを任されてもさほど緊張している様子でもな
かったが、「でも、マシンのシェイクダウンだからやはり少しは緊張したよ。
だった、この種のテストの場合、マシンが予期せぬトラブルを出す場合がある
からね。まぁ、M198はようやく産声をあげたばかりだけど、僕自身には乗
り心地は悪くない。チームの連中があれだけハードワークをしてくれているん
だもの、当然だよ。今日は初日ということもあり、全体的なチェックが主で、
徐々にメニューを増やしていく予定になっている。問題は気温だよ。もう、寒
いのはゴメンだね。」とコメントしていた。
22日は、前日よりもやや気温が上昇したものの、やや風が強かったためタイ
ヤが温まらず、十分なメリットを活かすことができなかった。それでもトラブ
ルフリーで39周を走行した。
最終日の23日は、ウェットコンディションで気温も低いという最悪のコン
ディションだったが、トゥエロはトータルで40周を走行した。
3日間のテストを終えてジャンカルロ・ミナルディは、「非常にポジティブな
3日間だった。テクニカル的な問題が出なかったことでホッとしているよ。来
週半ばにまたムジェロに来て、メカニカル面でより突っ込んだ内容のテストを
行なう。その後にバルセロナに向かうことになっている。」とコメントした。
- フェラーリテストレポート(1998.1.19)
12日からフィオラノで行なわれていたテストがこの日ひとまず終了した。
今回のテストでは15日から17日までデータ分析のため一時中断されたが、
18日から再開され、最終日の19日にはニコラ・ラリーニが午前中だけ
F300のステアリングを握り、ウェットコンディションの中、トータルで
24周を走行。ベストタイムは1分10秒851であった。
午後は、再びデータ分析作業に入り、22日から予定されているヘレスでの
テストに向けての対策を練った。
- フェラーリテストレポート(1998.1.18)
15日から中断されていたフィオラノでのテストが再開された。
急きょテストを行なうことになったニコラ・ラリーニは、ギアボックスとエ
ンジンに関係する電気系統のパーツの微調整を主目的として14周走行し、
ベストタイムは98年スペックのタイヤを装着して1分05秒226であっ
た。
- フェラーリテストレポート(1998.1.17)
12日からフィオラノのテストコースで行なわれてきたF300のテストは
15日からデータ解析のために一時中断されていた。当初の予定では、16
日までに終了するはずだったが、この日もテストを再開せず、翌18日から
再開することとなった。今後のテストでは、F300のパーツチェック、特
に、ギアボックスの電気系統のパーツを重点的にテストする予定で、ニコラ・
ラリーニがステアリングを握ることになっている。
- フェラーリテストレポート(1998.1.16)
12日からスペインのヘレスで行なわれていたテストはこの日が最終日と
なった。
エディ・アーバインは、この日もF310B(シャシーナンバー#179)を
使って1998年用のタイヤテストを行ない、様々なデータを採取した。こ
の日アーバインはトータルで89周を走り、ベストタイムは1分25秒41
であった。
- フェラーリテストレポート(1998.1.15)
12日から行なわれていたフィオラノでのテストは、プログラムを一時中断
し、15日と16日の2日間を使って、これまで行なってきたテスト結果の
分析に費やすこととなった。
当初の予定では16日にテストが終了することになっていたが、この分析作
業のために18日まで延期されることとなった。最後の2日間はニコラ・ラ
リーニがテストを担当することになっている。
ヘレスでテストを行なっているエディ・アーバインの方は、この日、ややト
ラブルに見舞われたようだが、前日に引続きグッドイヤーの98年用タイヤ
をテストし、トータルで67周を走り、ベストタイムは1分24秒90であっ
た。なお、ヘレスでのテストは16日で打ち上げとなる。
- フェラーリテストレポート(1998.1.14)
12日からスタートした今週のテストプログラムは3日目に突入した。
しかし、この日のフィオラノは前日同様に天候に恵まれず、コースコンディ
ションは悪いままであった。ミハエル・シューマッハはウェットな路面の中
でF300の電気系統のパーツチェックを行ない、トータル19周を走り、
ベストタイムは1分11秒485であった。
一方、ヘレスでテストを行なっているエディ・アーバインの方は、天候にも
恵まれ、順調にテストプログラムを消化している。こちらは、前日に引続き
F310Bを使用してグッドイヤーの数種類のタイヤテストを行なった。ト
ータルで75周走り、ベストタイムは1分25秒71であった。
- フェラーリテストレポート(1998.1.13)
12日からスタートした今週のテストプログラムは2日目に突入した。
フィオラノでは前日に引続きミハエル・シューマッハがF300の熟成テス
トを行なった。しかし、この日も天候に恵まれず、シューマッハがコースイ
ンしたのは午後からとなってしまった。数ラップした後にピットに戻り、マ
シンチェックを行なった。再びシューマッハがコースインしたのは午後4時
を回っていたが、この日はトータルで21周を走行し、ベストタイムは1分
11秒719であった。
一方、スペインのヘレスでもエディ・アーバインがタイヤテストを行なって
いる。アーバインは前日の12日にウェットな路面でF310Bに数種類の
タイヤを装着させてトータル85周を走り、ベストタイムは97年仕様のタ
イヤで1分25秒38、98年仕様のタイヤでは1分28秒38をマークし
た。
13日は、トータルで91周を走行し、98年仕様のタイヤで1分26秒97
をマークした。
- フェラーリテストレポート(1998.1.12)
フェラーリは12日、先週に引続き、フィオラノのテストコースでF300
の熟成テストを行なった。
天候の影響でコースは湿っていたが、ミハエル・シューマッハはトータル
21周を走行し、ベストタイムは1分10秒109であった。
- ベネトンテストリポート(1998.1.13)
ベネトンは、6日から9日までスペインのヘレスでテストを行なった。
テストには、ジャンカルロ・フィジケラとアレクサンダー・ブルツが参加
し、ブルツが6日と7日、フィジケラが8日と9日のそれぞれ2日間ずつ
新車B198の感触を確かめた。
ブルツは2日間で600キロ以上を走行し、ベストタイムは1分27秒12
をマーク。フィジケラは2日感で98周を走行し、ベストタイムは1分27
秒81であった。
なお、新車B198の正式発表は1月15日の予定となっている。
- フェラーリテストリポート(1998.1.13)
フェラーリは、9日、フィオラノのテストコースで7日に発表された新車
F300のテストを実施した。あいにくこの日は濃い霧のために路面が湿っ
ていたが、ミハエル・シューマッハはシャシーナンバー#181に乗り込
んでトータル32周を走り(そのうち7周を今シーズンから使用されるスペッ
クのタイヤで走行)、ベストタイムは1分00秒044であった。
ミハエル・シューマッハは、この新車のインプレッションについて、「ハ
ンドリングが楽だと感じたし、乗り心地も上々。これは、基本設計がしっ
かりしている証拠だね。これから入念に熟成テストを行なっていって、車
のポテンシャルを把握し、全面的に信頼できるパッケージにしていくつも
りだ」とコメントしていた。
なお、チームは急きょテストスケジュールを変更し、シューマッハは12
日から週末までフィオラノでF300の集中テストを行ない、アーバイン
はヘレスでF310Bを使い、今シーズン用のタイヤテストを実施するこ
ととなった。
Copyright (c) Masatsune Wake (1998), wake@yk.rim.or.jp